島津製作所、電動フォーク向け静音ギヤポンプ開発

▲静音性を追究したギヤポンプ「Serenade SRP300シリーズ」（出所：島津製作所）

荷主島津製作所は14日、電動フォークリフト向けに静音化設計を施したギヤポンプを開発し、欧州のフォークリフトメーカー大手による採用が決まったと発表した。

ギヤポンプは、フォークリフトなどの産業車両で荷台を動かすための作動油を送り出す油圧ポンプで、1台のフォークリフトに1、2台のギヤポンプが搭載されている。コロナ禍やEC市場の拡大に伴う物流量の増加を背景に、産業車両の需要も伸び続けており、環境対策のための排ガス規制の強化、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みから、電動フォークリフトの割合が高まっている。

電動フォークは従来のエンジン駆動式に比べて運転音が静かで、ギヤポンプの駆動音や吐出圧力の脈動に伴って生じる車体騒音が目立つことから、オペレーターや周囲の作業者の騒音ストレスを低減するために、静音性に優れたギヤポンプが求められる。

同社は「将来はほとんどすべてのフォークリフトが電動化される」とみて、駆動源電動化による油圧機器の騒音低減ニーズに対応するため、4年前に開発に着手。従来品に比べ騒音を最大30％低減した静音化設計ギヤポンプ「SerenadeSRシリーズ」（セレナーデSRシリーズ）を開発し、2年前に、環境規制の厳しい欧州の大手フォークリフトメーカーに試作品を納入した結果、静音性が優れているとの評価を得て量産採用が決まった。