国際島津製作所は8日、中国子会社の天津島津液圧(TSH)が天津市の西青経済技術開発区で、フォークリフト向け油圧ギヤポンプ、コントロールバルブ製造の新工場に着工すると発表した。11月に着工し、2020年9月の竣工を目指す。ギヤポンプで23年度には18年度比2倍となる年間生産30万台を見込む。
EC市場の成長によって中国では物流量が増大しており、物流に欠かせないフォークリフト市場が拡大。これに伴い作動油を送り出すギヤポンプ、作動油の流路を切り替えるコントロールバルブの需要も高まっていることから、新工場では「先端技術を活用して高い生産効率と品質、性能を追求」(島津製作所)し、需要増に対応する。
無人搬送車やロボットなどによる省人化や自動化を進めるほか、工程進捗や設備稼働状況を可視化するシステムを導入し、稼働率や生産能力の最大化を図る。また、日本国内で油圧機器の製造を担う島津プレシジョンテクノロジーと生産データをリアルタイムで共有し、グループ全体で生産性向上につなげる。
同社は「中国フォークリフト市場では、排ガス規制の強化によって電動化への移行が加速すると考えられる。低消費電力で低騒音という製品特長を訴求して、販売機会の拡大を目指す」としている。