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シーネット、音声認識システムの調査レポート公表

2021年12月21日 (火)

(出所:シーネット)

調査・データシーネットコネクトサービス(千葉市美浜区)は、物流や製造現場での生産性向上を支援する「音声認識システム」を導入した企業の事例を紹介するセミナーを開催した。21日に開催レポートを発表。参加者が寄せた感想からは、現場における非効率な作業の実態や、効率化に苦心する担当者の悩みが明らかになった。

シーネットコネクトサービスは、物流・製造現場における音声認識システム「ボイスピッキングシステム」を開発。システムにより両手が自由に使えて作業効率が向上する「ハンズフリー」や、視線が対象物に集中できる「アイズフリー」での作業が可能となる。入荷検品、出荷検品、ピッキングや棚卸し、検査・点検などの倉庫・工場内作業において、作業精度を向上させたり、歩きながら指示が確認できたり、作業スピードが向上することで、手順の平準化や、作業レベルの均一化を図ることができるという。

文字ではなく声を聞くことにより作業ができるため、外国人や高齢者、障害者も負担なく使用できるほか、チェックリストを読み合わせる必要がなくなる。サーバー不要なクラウドサービスのため、初期費用も削減できるほか、導入後のシステム維持管理も簡単だ。

シーネットコネクトサービスが14日に開催した「ENEOSにおける検査業務改善 事例研究セミナー」では、製造業に従事する関係者が、2019年から導入しているENEOS川崎製油所品質管理グループにおける実際の検査業務改善事例と音声検査システムの紹介に耳を傾けた。21日に公表したレポートは、開催後に実施した参加者へのアンケート結果をもとに作成された。

(イメージ)

レポートは、(1)音声認識システムに対しての製造現場の潜在的なニーズ(2)騒音下での音声認識精度が一番の関心事となっている(3)手入力からの脱却への模索――の3テーマが柱。(1)では、石油化学や電子機器、プラント・設備、自動車関連などを取り扱う幅広い業態からの参加者の関心の高さを参加者データとともに示した。品質管理や生産、SCM、企画部門に携わっている参加者も少なくなく、製造業全体が現場業務のDX推進に対する関心が高いことがうかがえるとした。

(2)では、参加者の約8割が、効率的な検査システムの導入を検討中もしくは情報収集であることを述べた。なかでも、騒音下でもきちんと聞き取れるかどうかといった「音声認識の精度」に最も関心が寄せられていることが明らかになった。(3)は、「検査結果を自動で整理し、自動で分析表が出せるシステムなどが好ましい」「手書きのチェックリストが多いのと、選択肢ではなく自由入力部分もあり、検査後に思い出しながらの記入などで、記入忘れや時系列が不明瞭になることがあり、リアルタイムに出来事を記録できる方法はないのかと考えている」などといった「手作業からの脱却」が製造業全体の当面のテーマである実態を浮き彫りにした。