ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

自律型ラストワンマイル配送、ここ10年で6倍に

2022年2月1日 (火)

(イメージ)

調査・データグローバルインフォメーション(川崎市麻生区)は1月31日、自律型ラストワンマイル配送にかかる世界市場について、2021年の8億6000万米ドル(990億円)から年率21.5%のペースで拡大し、30年には49億6400万米ドル(5710億円)に達するとの予測を明らかにした。

自律型ラストワンマイル配送は、地上配送ロボットやドローンなどの自律型車両が、製品やサービスを顧客の戸口まで届ける輸送方法。人間が介在することなく、すべてのプロセスを行うことができるのが特徴だ。オンデマンド配送サービスは、荷物の配送に使用される自律型空中配送ドローンや地上配送ロボットの商業化により、大きな変化を遂げると予想される。

これらの配送用ドローンやロボットは、小売業や食品・飲料、物流、ヘルスケアなどの業界で小包の配送に使用されている。地上配送ロボットは、道路上や道路沿いに存在する歩行者やその他の構造物から得られる微妙な合図を拾うだけでなく、道路信号に従って航行するように設計されている。

航空分野における自律型ラストワンマイル配送市場はプラットフォームの違いによりカーゴ・ドローンとデリバリー・ドローンに、地上分野ではデリバリー・ロボットと自動運転トラック・バンにそれぞれ分類される。飛行距離別には、短距離セグメントと20キロ以上の長距離セグメントに分類され、ペイロード重量別には、5キログラム以下と5キロから10キロ、10キロ以上の3つのカテゴリーに分けられる。

▲ペイロード重量別でみる自律型ラストワンマイル配送の市場比較(出所:グローバルイン不メーション)

アプリケーション別では、空中配送用ドローン市場は、物流・輸送、ヘルスケア・薬局、小売・食品に分類され、地上走行型配達車市場は、物流・輸送、小売・食品に分類されている。地域別には、北米、欧州、アジア太平洋、中東、ラテンアメリカ、アフリカの5つの主要地域とその主要国に基づいて分類される。

自律型ラストワンマイル配送市場は、ことしの市場は、北米が最大シェアを占めると推定されている。自律型ラストワンマイル配送は、ドローンへの高度な感知・回避システムの搭載、Eコマースの拡大、新興企業による低コスト・軽積載のドローン配送の増加などにより、世界的に成長している。

食品や小売業の分野では、都市部の渋滞により、自律走行型地上配送車の利用が拡大。一方、離れた場所に商品を配送するにあたり、住所が無効であったり、間違っていたり、目的地がわかりにくかったり、さらには深刻な労働力不足の問題もあり、商品配送のコストが増大している課題もある。とはいえ、次世代レベルの地上配送車を開発するためのベンチャー資金が増加していることから、市場の成長は拡大することが予測される。