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商船三井など、カーフェリー750キロ無人運航成功

2022年2月8日 (火)

調査・データ商船三井は7日、グループ2社やコンソーシアム企業と共同で、日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI(メグリ)2040」の一環として、2月6日から7日にかけて北海道苫小牧港から茨城県大洗港に向けて、商業運航内航大型カーフェリーによる無人運航実証実験に成功したと発表した。

(出所:商船三井)

今回の実証実験は、内航大型カーフェリー「さんふらわあしれとこ」の実際の商業航海ルートで実験を行い、世界で実施された無人運航の中で最長距離となる750キロ、かつ昼夜を跨いで最長時間となる18時間を航行。開発要素である「自動離着桟技術」「自動避航システム」「物標視認画像処理・測距技術」が長時間の航海でも正常に機能することを確認した。

2020年にMEGURI2040が開始されて以降、無人運航船の実現に向け、各種要素技術の検証実験に取り組んできた。ことし1月24日から2日間、無人運航の実証実験に成功した内航コンテナ船と同様に、内航カーフェリーにおいてもMOLマリン&エンジニアリング(東京都港区)が所有するシミュレーターを使用した自動避航等の検証や実船での検証実験を経て、今回の実証に臨んだ。

内航コンテナ船での実証実験に続き、内航カーフェリーでも実証実験に成功した。この2隻の試験で無人運航に用いた構成システムは同じ仕様であり、今回の実証成功を受けて必要な機器類を搭載することで、あらゆる船舶に対する無人運航技術の導入可能性がひらけた形だ。

現時点では、センシング技術の向上や避航ルートをさらに乗組員の感覚に近づける必要があるなど課題もある。MEGURI2040における無人運航船実現に向けた活動を通して得た知見と、コンピュータービジョンのAI(人工知能)技術を融合していくことで、これらの課題を解決し、引き続き安全運航強化と船員の労務負担軽減を目指す。

▲無人運航時の本船と機器画面のイメージ(出所:商船三井)