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武器はセールスプロモーション専門物流で磨いた「きめ細かい顧客提案力」

販促物流のドルフィンKOTO、一般貨物事業に参入

2022年3月14日 (月)

話題東京都江東区新木場。深川からの貯木場の移転先として誕生した街は、今や東京湾岸部でも有数の産業立地エリアとして開発が進んでいる。近年は、幹線道路や鉄道など交通の要衝としての立地を生かした物流施設の進出も目立つなど、その景観は大きく様変わりした。

この新木場で2000年に配送センターを新設し本社機能を置くのが、倉庫業やセールスプロモーションを手がけるドルフィンKOTO(ドルフィンコートー)だ。貨物輸送業・梱包業「江東企業」として、1961年に江東区亀戸で創業した。パンフレットやチラシ、ノベルティグッズなどのセールスプロモーション(販売促進)ツールを対象とした物流サービスを強みに、独自の存在感を発揮。2017年には新木場よりやや内陸にある江東区新砂に2か所目となる配送センターを稼働させるなど、業容を広げてきた。

▲一般貨物の輸配送拠点として本格稼働する「新砂配送センター」

そんなドルフィンKOTOが、新たな市場に挑もうとしている。一般貨物の輸配送拠点サービスに本格参入し、いわゆる販促物流との相乗効果による事業を多角化する「ハイブリッド」型の経営戦略だ。会社設立から61年、持続的な成長に向けた一歩を踏み出す。

一般貨物ビジネスに適した東京湾岸の配送拠点

新木場駅から北へ車で数分、ドルフィンKOTOの新砂配送センターは運河に面した倉庫街の一角にある。大手物流施設開発事業者が整備したセンターの一部を賃借して、トレーラーが着車できる2か所のバースを備えた、延床面積2000平方メートル(600坪)のスペースを確保。販促ツールなどの梱包や配送、保管拠点として活用している。

▲ドルフィンKOTOの島谷幸太郎課長

新木場の配送センターは3630平方メートル(1100坪)あるが、販促物流用のスペースが大半を占めることから、一般貨物用スペースとして確保できるのは860平方メートル(260坪)程度にとどまる。まとまった床面積を確保するとなれば、やはり新砂配送センターは重要なカギを握る存在なのだ。

「この新砂配送センターを中心に、一般貨物を対象としたビジネスの本格展開を考えています」(ドルフィンKOTO営業部第一営業課の島谷幸太郎課長)。この新砂配送センターを一般貨物を取り扱うための事業基盤と位置付け、荷主企業をはじめとする物流事業者に訴求していく考えだ。

新ビジネス訴求への強み、販促物流で培った「きめ細かいサービス力」

とはいえ、数多くのプレーヤーが存在する一般貨物ビジネス。販促物流の領域でビジネスモデルを確立してきたドルフィンKOTOが訴求できる強みは何か。「セールスプロモーション専門の物流サービスで培ったノウハウを生かした倉庫ビジネス。それが差別化のポイントになります」(島谷氏)

販促物流の特徴は、少量多品種で多様な形状のツールを迅速に取り扱う必要があることだ。ドルフィンKOTOはこうした顧客ニーズに対応するため、ウェブサイトを活用した在庫・管理情報や注文システムの開発を1990年代から進める一方で、梱包作業を効率化する自社開発の倉庫管理システムの導入や多彩な梱包資材を整えるなど、きめ細かな商品仕分け・梱包・発送サービスの開発に注力してきた。それが一般貨物の物流加工や輸配送支援にも活用できるというのだ。

「新砂や新木場は湾岸部。その立地条件も、一般貨物サービスの訴求ポイントになると考えています」(島谷氏)。例えば越境EC(インターネット通販サイトを通じた国際的な電子商取引)などの拠点として、輸入事業者に活用してもらうことも想定し、提供できる具体的なサービス内容を検討中だ。

ドルフィンKOTOが踏み出そうとしている、販促物流の強みを一般貨物サービスに水平展開する取り組み。物流業務の基本である、顧客ニーズに即した柔軟できめ細かなサービスは、まさに設立から培ってきたノウハウそのものだ。専門領域で磨いた圧倒的な優位性を武器に、汎用的な一般貨物分野でどのような存在感を示すのか。新しい物流ビジネスのあり方を提示する、ドルフィンKOTOの挑戦が始まる。


問合せ
問い合わせ先:ドルフィンKOTO
TEL:03-3522-8211
メール問合せ:sales@dolphin-koto.co.jp