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福島県沖地震、物流関連影響まとめ(第1報、17日9時現在)

2022年3月17日 (木)

国内3月16日夜に発生した、福島県沖を震源とする最大震度6強を記録した地震を受け、国土交通省が17日5時現在で発表した災害情報などによると、東北地方を中心に高速道路の通行止めや新幹線の運転見合わせなどが発生している。物流企業でも、東北地方における集荷や発送などに遅れが生じるとしている。高速道路や在来線も不通区間が発生しており、貨物の輸配送にも影響が続く可能性がある。

気象庁の発表によると、福島県沖を震源とする地震は17日23時36分に発生。マグニチュード7.4で、宮城県の登米市、蔵王町、福島県の国見町、相馬市、南相馬市で最大震度6弱を記録した。東北沿岸部には一時津波警報が発令され、宮城県の石巻港では0.2メートルの津波を観測した。北海道から九州地方にかけて揺れがあった。

気象庁は「揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度、特に今後2〜3日程度は規模の大きな地震が発生することが多い」として注意を呼び掛けており、トラック運転手ら物流事業者は引き続き余震を含めた注意が必要だ。

■宅配各社の集配に影響

今回の地震を受け、ヤマト運輸(東京都中央区)は全国から東北地域(青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県)宛ての荷物と、東北から全国宛ての荷物の配送に遅れが出る可能性があるとした。佐川急便も、北海道、青森、岩手、秋田、宮城、山形の1道5県について、一部の荷物で配送の遅延が発生する可能性について明らかにした。

■高速道路の通行止めでトラック輸送に支障が発生

▲黒塗り区間が通行止め(出所:ハイウェイ交通情報、17日8時15分現在)

道路関連では、常磐道(南相馬−新地)を中心に路面の段差やクラック、遮音壁などの付属物の倒壊が50件発生している。高速道路の9路線で通行止めが発生。東北道の白河インターチェンジ(IC)・一関ICをはじめ、常磐道(いわき勿来IC・亘理IC)、仙台東部道路(亘理IC・仙台港北IC)、三陸自動車道(仙台港北IC・陸前高田長部IC)、仙台南部道路(若林ジャンクション[JCT]・仙台南 IC)、仙台北部道路(利府JCT・富谷IC)、山形自動車道(村田JCT・宮城川崎IC) 、磐越自動車道(いわきJCT・会津若松IC) 、東北中央自動車道(福島JCT・米沢北IC、相馬IC・桑折JCT)。有料道路では仙台松島道路、あぶくま高原道路も通行止めとなっている。現時点で、国道(補助国道を除く)の通行止めはないとしている。

物流各社は、高速道路の通行止めが長期化すれば、東北方面をはじめとする輸送業務への影響が深刻化するおそれもあるとして、対応に追われている。

■鉄道貨物も運休に

鉄道関連では、JR東北線が新白河駅・北上駅間で運転を見合わせており、再開のめどは立っていない。貨物列車の運行にも支障が出ており、地震による被害が確認された場合は鉄道貨物輸送への影響が長期化する可能性もある。なお、東北新幹線は福島駅・白石蔵王駅間で「やまびこ223号」が脱線。17日朝の始発から運転を見合わせている。

■航空便は現時点で影響なし

航空関連は仙台空港でビルのガラスが破損する被害が出ているものの、運航への影響は現時点で出ていない。港湾施設は17日早朝から施設の点検作業を進めている。

■停電の影響も

宮城県と福島県では17日7時現在、一部地域で停電が続いている。物流施設でも倉庫内のマテリアルハンドリング機器や配車システムなどへの影響が出ているところもあるとみられ、業務の遅延につながる可能性もある。