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フジHD社長「3年以内に5万台が利用」

ドコマップJ、日野に続き三菱ふそうにも連携拡大

2022年3月23日 (水)

サービス・商品ドコマップジャパン(東京都港区)は23日、同社が運営する車載動態管理サービス「ドコマップ」の提携先を拡大すると発表した。昨年12月から「データ連携」を開始した日野自動車との提携に続き、新たに三菱ふそうトラック・バスが販売する車両にも連携先を広げることで、サービスの利用者を一気に拡大する狙い。

三菱ふそうとの連携では、同社テレマティクスサービス「トラックコネクト」「バスコネクト」から得られるデータをドコマップジャパンの動態管理サービス「DoCoMAP」(ドコマップ)で利用し、サービスを提供する。

▲データ連携のイメージ(出所:ドコマップジャパン)

ドコマップジャパンが手軽に動態管理ソリューションの活用を実現したいと三菱ふそうに呼びかけたことで、2020年10月に連携に向けた取り組みを開始。水面下で取り組んでいたサービスが21年1月には具体化し、同年5月から全国のフジホールディングスグループ企業でトライアル運用に入った。22年4月からは一般ユーザー向けのサービス提供を開始する。

これにより、三菱ふそうのテレマティクスサービスから車両位置情報と車速データをドコマップのデータベースに送信し、新たなシステム構築やデバイス追加といったハード面での負担がなく、車両位置情報管理などリアルタイムの車両動態管理機能を利用できるようになる。

運送会社にとっては、車両稼働率を改善し、空車回送率を引き下げる効果が見込めるもので、原油高によるコスト増を抑えることにもつながる。リアルタイムで位置情報が確認できるため、トラックに限らずバスの運行スケジュール管理にも適用可能。今後は位置情報や車速データだけでなく、テレマティクスサービスから取得できる多様なデータをドコマップと連携させる方針だ。

▲三菱ふそうのスーパーグレート

これらすべてがドコマップを利用するわけではないだろうが、1万台に達している現在のサービス利用車両が大幅に増大する契機となる可能性は高く、ドコマップジャパンはシェア拡大の好機と捉えて通常の利用料金より低い料金を設定する方針だ。月額1780円となっている一般の利用料金に対し、トラックメーカーとデータ連携した車両で利用する場合の月額料金は1180円と、3分の2の水準に引き下げる。

この料金で、運送会社はPCブラウザ経由で車両の位置情報を簡単に確認できるようになる。例えば「グーグルマップ」の機能を利用して、渋滞情報やストリートビューなどの機能を直接利用したり、車両の走行した軌跡を地図上に表示して速度と時間が連動したグラフを表示したりといった利用方法も可能だ。

さらに、ドライバー向けのアプリとして「ドコマッププラス」も提供しており、これを併せて利用することで、きめ細やかなドライバーの休憩時間や勤務時間管理が可能になるため、今後はドライバーの時間外労働時間の上限が960時間に制限される2024年問題への対策としても打ち出していく。

フジホールディングスの松岡弘晃社長は、LOGISTICS TODAYの取材に「2017年以降に発売されたトラックが対象となる。現在の車両でGPSを使っているのであれば、ドコマップを利用したほうが使い勝手、費用、機能面のメリットも大きい。日野自動車に続いて三菱ふそうトラック・バスともデータ連携することによる期待は大きく、向こう3年で5万台程度までは利用車両を拡大できるのではないか」と、今回の連携先拡大をテコにしてシェア拡大につなげたい考えを示した。

日野のコネクティッドトラック、ドコマップと連携