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川崎重工、工場内における無人物資輸送を実証

2022年3月28日 (月)

調査・データ川崎重工業は28日、工場内物流の無人化を目的として開発した多用途UGV(無人地上車両)による無人物資輸送の実証実験に成功したと発表した。川崎重工業明石工場(兵庫県明石市)のモーターサイクル製造ラインにおけるエンジン運搬業務について、、有人トラックから多用途UGVへの置き換えの可能性を実証する。

▲実証実験の内容(出所:川崎重工業)

多用途UGVに15台のエンジンを積み、エンジン工場から300メートル離れたモーターサイクル組立工場まで無人自律走行で搬送。多用途UGVの活用により、従来から有人トラックで行っているエンジン運搬業務の効率化を見込む。

高い走行性能を誇るカワサキモータース(兵庫県明石市)製のオフロード四輪車両「MULE」(ミュール)に、無人自律走行用のシステムを搭載。レールなどを必要としない無軌道走行のため、工場に導入する場合は追加設備が不要で、狭い通路でも自動走行が可能だ。走行ルートの変更を容易に行うことができ、製造状況に応じた行先の変更や製造ラインの変更にも柔軟に対応できるのも特徴だ。

今回の実証実験で使用した車体のパワーユニットにはモーターを採用。工場内走行を行うため足回りはオンロードスタイル、車上設備はエンジンの輸送に最適なキャリアスタイルを導入した。充電環境の確保が難しい場所や、未舗装路での走行には、エンジンを搭載したオフロードスタイルを選択するなど、活用するフィールドに合わせて車体のカスタマイズが可能だ。

川崎重工業は「グループビジョン2030」において、注力フィールドを「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」と設定。多用途UGVについては「近未来モビリティ」の一環として開発を進めている。実証実験で得られた知見をもとに、今後も物流にかかわる人手不足の解消や業務効率化に向けて、多用途UGVをはじめとする自律運転を用いた無人輸送システムの開発に取り組むことにより、さまざまな社会課題の解決に貢献していく。

■YouTubeチャンネル「Kawasaki Group Channel」(出所:川崎重工業)