調査・データNX総合研究所は、7月7日時点の情報を基にした2026年度の経済と貨物輸送の見通しをまとめ、国内貨物総輸送量が前年比0.3%減の39億4260万トンになるとの予測を示した。同見通しでは「年度」を1月から12月として集計している。減少は5年連続となるが、3.3%減だった25年からマイナス幅は縮小する。生産関連貨物や営業用自動車、内航海運が増加に転じる一方、建設関連貨物の低迷が全体を押し下げる。
26年の実質経済成長率は0.5%増と、25年の1.1%増から減速する見込み。中東情勢の混乱や物価上昇が上期の景気を下押しする一方、下期は政府の経済対策や投資マインドの改善により、成長率が上向くと想定した。
品類別では、消費関連貨物が0.5%増となる。物価高が需要を抑えるものの、実質可処分所得の改善や猛暑に伴う飲料、日用品の需要が下支えする。生産関連貨物は2.3%増と3年ぶりにプラスへ転じる。省力化・デジタル投資に伴う一般機械や部品、設備搬入の増加を見込むほか、石油製品の荷動きも増えるとした。
一方、建設関連貨物は2.9%減と減少が続く。人件費や建設資材価格の上昇、住宅着工の低迷、大規模な公共土木工事が見込みにくいことが、砂利・砂・石材やセメント、生コンなどの輸送を押し下げる。建設関連を除く輸送量は1.6%増を予測しており、総輸送量の減少は建設貨物の影響が大きい。
輸送機関別では、営業用自動車が0.4%増と5年ぶりのプラスに浮上する。生産関連貨物の持ち直しや消費関連貨物の堅調な推移が寄与する。一方、自家用自動車は1.9%減となり、4年連続で前年を下回る。建設関連貨物が大きな割合を占めることが下押し要因となる。
鉄道は全体で1.5%減、JRは2.8%減を見込む。JRコンテナは、雪害による輸送障害や、リニア中央新幹線工事に伴う発生土輸送の頭打ちにより4.2%減となる。発生土輸送は年内で終了する想定で、これまでの輸送量押し上げ効果が剥落する。車扱貨物は石油やセメント・石灰石の荷動きに支えられ、0.6%増を予測する。
内航海運は0.9%増と5年ぶりのプラスに転じる。石油製品など生産関連貨物が1.4%増となるほか、建設関連貨物も減少幅が縮小する見通し。国内航空貨物は0.8%減と5年ぶりのマイナスを予測した。大手宅配便事業者による貨物専用便の輸送量押し上げ効果が一巡し、一般貨物の需要拡大も限定的とみている。
モーダルシフトについては、鉄道や内航海運への大幅な転換は現時点で確認できないと分析した。JRコンテナの増加は発生土輸送の影響が大きく、トラックからの転換とは言いにくい。内航RORO船やコンテナ船も月ごとの変動が大きく、継続的な増加には至っていない。ただ、営業用トラックでは輸送距離の短縮が目立っており、時間外労働規制への対応が定着する過程で、中長距離輸送を補完する手段として鉄道や海運が再評価される余地があるとした。
国際貨物では、主要8港の外貿コンテナ輸出が0.6%増と3年ぶりにプラスへ転じる。一般機械や機械部品が下支えする一方、自動車部品は海外市場の減速や競争激化で低調な荷動きが続く。輸入は消費財と生産財の双方が増え、2.7%増と3年連続のプラスを見込む。
国際航空貨物は、主要4空港の輸出が6.3%増、輸入が3.9%増となる予測。輸出ではAI関連需要を背景に半導体等電子部品や製造装置が伸び、東南アジアや台湾、インド向けを中心とするアジア線が9.8%増と全体をけん引する。欧州線は自動車部品の特需反動などから3.2%減と低迷が続く見通しだ。
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