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豊田通商、五島列島で医薬品配送ドローン事業展開

2022年4月22日 (金)

(出所:豊田通商)

サービス・商品豊田通商は21日、長崎県の五島列島で医療用医薬品のドローン配送事業を行うグループ会社「そらいいな」(長崎県五島市)を設立し、事業展開を開始すると発表した。過疎地や離島における人手不足や、医療アクセスの格差といった社会課題の解決に向けた取り組みとして注目される。

豊田通商はドローン物流領域での協業を模索し、2018年6月に米スタートアップのZipline International(ジップライン)に出資。ガーナでの協業などを推進しており、21年3月には日本でのドローン物流サービスの社会実装を目的とした戦略業務提携を締結するなど、具体的な取り組みを検討してきた。そらいいなの事業にはジップラインのドローン技術と固定翼機体を用いる。

▲「そらいいな」の物流網構想(開設済:赤、計画:黒、クリックで拡大、出所:豊田通商)

そらいいなは、五島市に拠点を置く医薬品卸会社の東七(長崎県佐世保市)、翔薬(福岡市博多区)、宮崎温仙堂商店(長崎県諫早市)の3社と長期の実証契約を結び、五島列島の医療機関や薬局へ医療用医薬品をドローンで配送する。福江島(五島市)東部に整備した発着場を拠点とし、まずは奈留島(同)への定期運航を皮切りに、福江島西部、列島北部の中通島にある新上五島町(同)などへ徐々に配送先を増やしていくという。

国内では、様々な分野でドローンの利用が急速に普及しており、物流分野でも新たなサービスの創出や利便性向上を目的とした社会実装が期待されている。ことし12月には有人エリアにおける補助者なしでの目視外飛行、いわゆる「レベル4飛行」に向けた法改正が施行される予定だ。そらいいなは無人エリアでのレベル3飛行で実績を積み、将来的にはレベル4飛行での事業展開を目指す。