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日本海事協会、川重の液化水素運搬船に設計認証

2022年4月25日 (月)

(出所:日本海事協会)

認証・表彰日本海事協会(ClassNK)は22日、川崎重工業が開発した大型液化水素運搬船に関わる基本設計認証(AiP)を発行したと発表した。

すでに船級登録済の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」において、主要設計要素の貨物取扱設備(CHS、カーゴ・ハンドリング・システム)と、水素のボイルオフガスを燃料として使用する二元燃料主ボイラーを対象としたAiPを発行した。同船については、2021年に、1基あたり4万立法メートル級の貨物格納設備(CCS、カーゴ・コンテインメント・システム)にもAiPを発行している。

CHSなど3件の主要設計要素に対するAiPに加え、同船の区画配置、船体構造、発電・配電システム、水素火災対策などの検証を踏まえ、大規模の水素輸送が可能であると判断。今回、CCSを4基搭載した16万立方メートル大型液化水素運搬船の統合的な設計に対し、船舶として成立性を確認するAiPも発行した。

審査では、液化ガス運搬船の安全コードを取り入れた鋼船規則や、国際海事機関(IMO)の「液化水素ばら積み運送のための暫定勧告」を取り入れたガイドラインによって実施した。また、潜在的なリスクやそのリスク規模などを評価し、安全性を確認した。

水素は燃焼時にCO2を排出しないことから、脱炭素社会を実現するためのクリーンエネルギーとして期待されている。日本海事協会は、「業界をリードする企業との協業で得られた知見を規則やガイドラインに取り入れることで、業界全体の脱炭素化を支援していく」としている。