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4年ぶり復活「ジャパントラックショー」横浜で開幕

2022年5月12日 (木)

話題国内最大のトラック関連総合展示会「ジャパントラックショー2022」が12日、横浜市中区のパシフィコ横浜(横浜国際平和会議場)で開幕した。

独自技術を搭載した新型トラックをはじめ、卓越した技術力を誇る架装や積載能力の高いトレーラーなど、社会に不可欠なインフラを支える物流の最前線で活躍するトラックの最先端技術を訴求。会場では、開幕を待ちわびた物流・運輸事業者のほか荷主企業など幅広い関係者が次々とつめかける盛況ぶりで、注目の高さを印象付けた。

2016年の初開催から隔年で開かれてきたが、20年は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受けて中止に。今回は4年ぶりの開催となった。

車両や架装、関連部品、周辺機器、ソフトウエアなどトラック関連の製品・サービスを提供する143の企業・団体が520か所のブースを展開。国内企業に混じって海外メーカーも参加し、国内初公開の最新技術も披露する。会期は5月14日までの3日間。

会場では、出展者が来場者に先進的な製品やサービスについて、デモンストレーションを交えながら紹介。トラックメーカーが小型から大型まで幅広いラインアップで新型モデルを披露するほか、EV(電気自動車)や水素燃料車など環境対応の最新技術についても実車を並べて解説する。

架装関連はボディーやトレーラー、冷凍冷蔵車などの注目技術が高い関心を集めているほか、空気圧・温度監視システム、デジタルタコグラフなど輸送品質の確認に役立つ周辺機器、配車管理システムや労務管理システムなどドライバーの就労環境改善を支援するソフトウエアなど、昨今の物流課題を反映した取り組みを訴求するブース展開が目立つ。

ワークショップコーナーでは、特に物流業界で関心の高いテーマについて、先進的な取り組み事例や将来のビジョンを発信する講演を開催する。

▲挨拶する南元一会長

開会式では、主催者である国際物流総合研究所の南元一会長が「2020年は残念ながらコロナの影響で開催できず、多くの方々にご迷惑をおかけした。しかし、今回はかなり斬新な面白い内容であり、関係者には、このショーをぜひ今後の仕事に生かしていただきたい」とあいさつした。

今回の展示会は、コロナ禍で加速したDX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめ、IoT(モノのインターネット)などをキーワードとした新技術を中心に、新しい時代を生き抜く次世代製品もラインアップしているのが特徴。南会長は「輸配送効率やサービスレベルの向上、SDGsへの対応など様々な課題に追われる物流企業経営者に向けて課題解決となる製品・技術を発信し、これまで以上に有益な展示会にしていきたい」と期待する。

4年ぶりの「トラックショー」、新たな物流課題をあぶり出す機会になるか

国内最大のトラック関連の見本市であるジャパントラックショーが4年ぶりに開催される。この4年間で、物流業界を取り巻く環境は劇的に変化した。今回のトラックショーは、こうした動きを色濃く反映したブースが展開されることになりそうだ。

それを象徴するのが、関心の高いテーマを掘り下げて紹介するワークショップだ。出展企業がなかでも特に訴求したいトピックについて1時間かけてじっくりと解説する名物コーナー。そのタイトルを見ると、ドライバーの労務管理や運行管理者の働き方改革、アフターコロナの輸送安全対策など、まさに足元の重要課題に即した内容がずらり。

最先端の取り組みを先取りして紹介するのが見本市の役割ではあるが、裏を返せば業界が抱える課題を浮き彫りにするのも、こうしたイベントならではだ。課題を抽出すること、それは企業にとってビジネスチャンスそのものだからだ。

物流業界の抱える課題と社会の要請、そしてこうした問題の解決を促す技術やシステムを競い合うことでビジネスにつなげる出展者。こうしてブースを練り歩いてみると、こうした構図が見えてくる。さて、久しぶりのトラックショーは、どんな新たな課題をあぶり出してくれるだろうか。(編集部・清水直樹)

ジャパントラックショー2022特集