話題配車表の管理から請求書発行までをワンストップ化するITサービス「TUMIX配車」を手がけているTUMIX(ツミックス、静岡市葵区)。鈴与グループにあって物流業務を知り尽くした同社が打ち出す、次なる打ち手が9日に公開されたばかりの新サービス「TUMIXコンプラ」だ。
2019年設立の同社が初めて世に問うたTUMIX配車計画は、車両台数10台から200台クラスの中小運送会社を利用顧客に想定したものだったが、これらの顧客企業は「2024年問題」ともいわれるトラックドライバーの時間外労働上限規制の厳格化に直面している。
そこで、にわかに高まる運送業界のコンプライアンス需要に対応するため、満を持して投入したのがTUMIXコンプラというわけだ。
12日に開幕したジャパントラックショー2022で同社はブース出展し、TUMIX配車計画と併せてTUMIXコンプラの概要を説明する。とりわけ「アナログ思考」が強いといわれる運送業界の特性を考慮し、運送会社専用のコンプライアンス支援サービスとして、デジタコやアルコールチェッカーなど「いまあるシステムの運用をあまり変えずに利用できる」という手軽さを訴求。容易にコンプライアンスの現状を把握できるようにし、集約した管理向けデータを当月中に表示する機能も紹介する。
すでにTUMIX配車計画の一部利用企業でトライアル利用を開始しており、このサービスを通じて「運送業界の無駄をなくし、順法運行や管理、配車計画との連動性を打ち出しながら、コンプライアンスデータを運行指示に変えていく。今後はアラートを出したり、平準化の予測値を出すことも考えている」(TUMIX・望月一磨氏)という。
導入の意思決定からわずか1週間で利用開始できる設定難易度の低さや、体験型のプログラムを通じて顧客と画面を共有しながら使い方をレクチャーするサポート体制も特徴で、トラックショーの同社ブースでは、これらのITサービスのデモンストレーションを行う。
トラックドライバーの時間外労働上限規制が施行される24年4月まで2年を切ったいま、業務環境の整備に着手する必要性を感じているならば、最適なツールのひとつになりそうだ。