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様々な箱を見分けて荷下ろし、ABBの新ロボット

2022年5月18日 (水)

サービス・商品産業用ロボット開発を手がけるABB(スイス)は18日、物流パレットからの高度で複雑な荷下ろしができる新たなロボット「ABB ロボットデパレタイザ」を発売したと発表した。独自のソフトウェアによってさまざまな種類の箱をすばやく見分けるのが特徴で、導入企業は生産性向上とコスト削減を図れるとしている。

▲ABB ロボットデパレタイザ(出所:ABB)

作業員の重労働を代わりに行う庫内作業ロボットの一種。同社日本法人(東京都品川区)によると、パレットに積まれた最大30キロまでの箱をハンド部分が吸着して引き上げ、別のパレットやコンベヤーなどに載せていく。箱の形が複雑でも、ハンドが吸着するのに最適な箇所をセンサーが判断する。最大で1時間あたり650回の作業を24時間行えるほか、最大2.8メートルの高さにあるパレットにも対応する。これは現時点で世界最高の高さという。ABBが培った高度な機械制御と機械学習アルゴリズムが一連の動作を可能にした。

物流現場では、パレットの上に1種類の箱が積み上がっていたり、複数の箱が組み合わさっていたり、重量や形状、材質が異なる箱が混在していたりと、状況は様々だ。同社のセンサーは、その中から特定の箱を検出したり、複数種の箱を下ろしたりできる。また、自律移動型ロボット(AMR)との連携も可能だ。

同社によると、年々、パレットからの荷下ろし作業は複雑さを増している。手作業での仕分け作業はスタッフも敬遠して離職率が高く、採用コストの増加につながっている。こうした課題に、このロボットシステムは一つの解決策となる。セッティングもわずかな作業時間でできるという。

ABBのロボティクス部門トップのマーク・セグーラ氏は、「より柔軟で効率の良い物流インフラへのニーズが高まっている。このロボットは、様々な状態で積み上げられた箱を荷下ろしする能力があり、より速く正確に取り扱うことができる」と強調している。

■稼働シーン