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関西物流展で「高機能WMSを低価格」で提供するシフト戦略鮮明に

ダイアログ、「提案先の収益力」高めるWMS訴求

2022年5月30日 (月)

話題サプライチェーンを構成するあらゆる機能のなかで、荷物の出し手から配送先までのあらゆる情報をもとにスムーズな流れを制御する「司令塔」の役割を果たすのが倉庫だ。

(イメージ)

「物流コスト削減で収益力向上を実現できる、そんな倉庫のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を実現できないか」。大阪市住之江区のインテックス大阪で6月22日から3日間開かれる「第3回関西物流展」でこんなメッセージを訴求するのが、倉庫業務の全体をマネジメントするWMS(倉庫管理システム)を展開するダイアログ(東京都品川区)だ。

高機能追求から「提案先の収益力強化」へのシフト、その契機が関西物流展だ

WMS開発で高い知名度を誇るダイアログだが、今回の関西物流展では一味違ったコンセプトを掲げるという。「高機能な倉庫DX化システムを『低価格』で利用できるメリットを強く訴える戦略が、今回の関西物流展におけるダイアログの出展コンセプトの特徴です」

これまでの「高機能化」訴求型から、提供先企業の「収益力強化」を意識したシステム提案型へ。ダイアログ常務取締役兼COO(最高執行責任者)兼CMO(最高マーケティング責任者)の米谷諒氏は今回の関西物流展を、経営戦略をシフトする契機と位置付けている。

▲ダイアログ常務取締役兼COO兼CMO・米谷諒氏

物流倉庫における業務は、荷物の入出庫や仕分けだけではない。収支や作業進捗確認といった管理も倉庫の最適運営に欠かせない業務だ。こうした現場では、細かな管理業務がデータ化されない形で進められているところが未だに少なくない。その結果、従業員の長時間労働や、経験と勘に頼った再現性の低い業務スタイルが定着してしまうデメリットが発生しているのが実態だ。

ダイアログが今回の関西物流展で掲げる「収益力強化」を訴求するのは、こうした課題を解決することで現場業務の効率化が進み、結果として持続的に成長できる収益性の高い事業展開を可能にできると考えるからだ。

上位モデルと同等の機能を低価格で提供、それが収益力強化を促す

ダイアログは今回の関西物流展で、高水準の倉庫管理機能を標準装備しながら低価格で提供するSaaS(必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できる)型WMS「W3 MIMOSA(ミモザ)」を披露する。上位モデル「W3 SIRIUS(シリウス)」と同水準の機能を搭載し、さらに低価格を実現した。

そもそも、W3 MIMOSAは低価格での提供を目的に開発したシステムであるが、「本来は個別カスタマイズ仕様で機能が豊富な分だけ高額だったW3 SIRIUSから多くの機能を引き継いだことで、結果としてW3 SIRIUSと同水準の機能を低価格で利用できる新モデルが実現しました」

米谷氏は、今回の出典ブースにおける訴求ポイントである「収益力強化」を意識したシステム提案型の事業戦略を象徴する存在として前面に出す考えだ。W3 MIMOSAはエクセルに近い操作性が特徴で、帳票作成や編集を実施する際のボタン配置を画面上部に寄せるなど、直感的に作業できる。一方で、受注・生産管理システムなどとの柔軟なシステム連携を可能。データ型式の編集が不要であるなど、高機能で使いやすい仕様としている。

あらゆる「動き」「情報」の可視化ツールを紹介

ダイアログが今回の関西物流展でW3 MIMOSAのほかに強く訴求するシステムが、WMS・WCS(倉庫制御システム)連携型データ可視化ツール「W3 Logistics Dashboard(ロジスティクス・ダッシュボード)」と、物流特化型収支管理システム「Tariffee」(タリフィー)だ。

発荷主と物流事業者、顧客の3者が、それぞれ荷物輸送の観点で「見える化」によって得たい情報を明確に定義してデータ化することにより、倉庫内の荷物や従業員、経費などあらゆる構成要素の「動き」を可視化するのがW3 Logistics Dashboard。ことし5月より順次、市場への提供を開始した。

進捗分析やロケーション別・商品別の引当実績、生産性分析、波動分析など、可視化の対象は多岐にわたる。「ウィークポイントやボトルネックを抽出することで、倉庫運営の改善に活用できるのが強みです」(米谷氏)。こうした可視化データの分析により、拠点配置の妥当性検証や、より効率的な作業スケジュールの策定につなげられるという。

▲Tariffeeのサービスイメージ

Tariffeeは、WMSやExcel、在庫管理システムなどでバラバラに管理されているデータを一元管理することで、商品データ・入出荷データ・タリフ情報を集計し、可視化するシステムだ。集計データに基づく各社への請求書発行も可能だ。

ダッシュボードのわかりやすさをはじめ、請求書発行の一元管理や、商品データや入出庫状況など各種作業データを所定のCSV(テキストデータをいくつかのフィールドに分けて区切り文字であるカンマで区切ったデータ形式)フォーマットに変換するだけで各システムと連携できるのが特徴。「『複数のセンターを運営しているが個別の経営状況がつかめない』『経理業務が即人的で手作業のため、残業が多くミスが減らない』といった課題に対応できるシステムとして、可視化の効果を訴求していきます」(米谷氏)

そもそも物流DX化の究極の狙いはどこにあるのか。ともすれば見失ってしまいそうな物流現場における課題認識について、「『可視化』による収益力強化」という明確なメッセージを掲げて問い直すのがダイアログだ。現場が抱える課題を改めて再定義する。関西物流展はその絶好の機会になるかもしれない。

「ダイアログ」ホームページ
「W3 MIMOSA」サービスページ