フードヤマト運輸(東京都港区)は14日、ファーストフードチェーン「モスバーガー」を展開するモスフードサービスが7月19日に開始する直販サイト「モスオンラインショップ~Life with MOS~(ライフ・ウィズ・モス)」の流通スキームを構築したと発表した。
ヤマト運輸が持つ3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)の輸配送ネットワークや倉庫などを活用し、冷蔵・冷凍を含む多様なモスバーガー商品をいつでも安心で確実に自宅に届ける。

▲モス専用宅配ボックス(出所:ヤマト運輸)
EC(電子商取引)サービスの普及などによる消費スタイルの多様化で、自宅にいながら自分の好きなものを食べることができる食品D2C(消費者直接取引)のニーズが高まり、新規参入する企業が増えている。一方で、従来の店舗納品などケース単位で輸送を行うコールドチェーンとは異なり、D2C特有の個々の細かい物流作業への対応が課題になっていた。
モスフードサービスは1972年のモスバーガー1号店の開業以来、今年で50周年を迎えた。モスブランドを活用した新たな事業展開として、自社ECサイト開発を検討。従来の店舗向け流通ネットワークを生かしながら、迅速かつ安全な形で複数の温度帯の商品を直接届ける新たな流通スキームの構築が急務だった。
ヤマト運輸は88年の「クール宅急便」の提供開始から培ってきた、全国での常温・冷蔵・冷凍の3温度帯の輸配送や倉庫などの物流ネットワークを活用し、サプライチェーンの上流から下流まで法人企業の物流をトータルにサポートしている。今回のモスオンラインショップにおける商品の保管から配達までの一括運用により、保管の温度帯が異なる複数の商品にも対応が可能になり、多様な好みに適した商品ラインアップの実現につなげた。
流通スキームは、仕分けターミナルと3温度帯の保冷機能が一体となった拠点で商品の保管から出荷業務を実施することで、多彩な商品ラインアップの取り扱いを可能とした。さらに、当日出荷作業分や売れ筋商品のみメイン倉庫から保冷倉庫に移動させることで、在庫の点在を極力抑えた。デジタルアソートシステムなどを活用することにより、短時間で様々な種類の商品を組み合わせた出荷業務を実現した。

▲構築した流通スキーム