ビルでEC商品受取、ヤマトなど千葉・柏で開始

ロジスティクスヤマト運輸（東京都中央区）が連携するEC（電子商取引）サイトの商品を、駅ビルのショッピングモールで受け取れるサービスが千葉県柏市で15日にスタートした。駅前の百貨店など大型商業施設で購入した商品を自宅に配達してもらう旧来型の品物の流れとは正反対に、自宅などから注文したEC商品の受け取り場に駅ビルの店舗がなる。かつてとは様変わりした小売や物流の姿を象徴する取り組みとして、今後の展開が注目されそうだ。

ヤマトと、柏高島屋ステーションモールを運営する東神開発（東京都世田谷区）、日本駐車場開発（大阪市北区）の3社が協力して始めた。東武鉄道柏駅と一体になっている同ステーションモールの新館専門店12階にある店舗「Kashiwa grand（カシワ・グランド）シェアオフィス＆コワーキングスペース」（日本駐車場開発運営）で、ECサイトの購入商品を受け取ることができる。

具体的な流れとしては、まず、ヤマトが提携しているECサイトで商品を購入した後、受け取り場所にこの店舗を選択する。または、ヤマトからメールなどで届く「お届け予定通知」内のURLにアクセスし、同様に同店舗を受け取り場所に選択する。商品が同店に到着すると、二次元バーコードまたは認証コードが添付された納品完了メールが注文者に届く。利用者が同店に行き、これらのコードを提示すれば商品を受け取れる。ヤマトの個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の会員であれば、ECサイトの商品以外の受け取りも可能だ。

▲商品受け取りまでの流れのイメージ図（出所：日本駐車場開発）

シェアオフィスやコワーキングスペースの利用・滞在者にとって特に便利で、それ以外の人にも駅近くで商品を受け取れるメリットがある。同店で利用できる割引クーポンも取得できるようにする予定という。

このシェアオフィス＆コワーキングスペースは、新しい時代の仕事と生活スタイルを目指し、利用者のワークライフバランスの実現を標榜している施設だ。新型コロナウイルス禍でのEC市場の拡大を受け、地域の人たちの利便性を高めるため、商品の受け取り場としてのサービスを考えたという。