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運輸・倉庫業は3番目に「円安で業績悪化」、TDB調査

2022年8月17日 (水)

調査・データ円安の進行で業績が悪化した企業が多い業界の3番目が運輸・倉庫業界であることが、帝国データバンク(TDB、東京都港区)が16日に発表したアンケート調査結果で分かった。円安の影響について「コストの増加」を挙げた企業も、運輸・倉庫業界は3番目に多い業界だった。

(イメージ)

このアンケートは、帝国データが8月5日から8日かけてインターネットで緊急実施し、1763社が有効回答を寄せた。

それによると、各業界内で円安により「業績が悪化した」と答えた企業の割合は、全業種平均で79.1%だったのに対し、運輸・倉庫業は平均を上回る83.2%だった。その割合が多い1位は卸売業(86.3%)、2位は製造業(84.5%)だった。

円安で燃料費や光熱費の上昇など「コストが増加した」と答えた企業の割合は、全業種平均で77.7%。運輸・倉庫業は83.2%と、やはり平均を上回った。卸売業(85.1%)、製造業(83.7%)に続き、こちらも3位だった。

コスト増加以外の影響としては、「(消費者による)国内における買い控え」や「販売価格への転嫁が進んだ」と回答する企業もあったが、運輸・倉庫業はその割合が全業種平均を下回った。「価格転嫁」は全業種平均の12%に対し、9.5%にとどまった。

さまざまな面で円安が業績改善につながった企業もある。「為替差益が発生」と回答した企業の割合は全業種平均で5.7%。運輸・倉庫業の中にも海運など為替差益の恩恵を受けた企業はあるが、業界内での割合は3.2%にとどまった。

帝国データは、回答企業のコメントもいくつか紹介している。運輸・倉庫業からは「燃料サーチャージの導入を荷主にお願いしている」(一般貨物自動車運送)、「(燃油・電気代高騰に対し)不在時・不使用時のスイッチオフを徹底する。タイヤなど製品価格高騰には値上げ前の購入を心掛ける」(同) といった声が寄せられた。中には「物流関係は受け身の対応となるため大変なことになっている。これだけ物価が上昇して経営困難になっているなか大手ほど非常識な値下げを言ってきている」(同)という“悲鳴”に近いコメントもあった。