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9/7“点呼業務”徹底討論イベント事前企画/登壇各社メッセージ第3回

点呼の「目的」踏まえ最適な手段を/テレニシ吉田氏

2022年8月30日 (火)

話題LOGISTICS TODAYが9月7日に開催するオンラインイベント「運送会社DXに盲点、“点呼業務”の主要メーカー・販社と徹底討論」。点呼業務支援機器・システム業界の現場や課題、今後の方向性について持論を語ります。

LOGISTICS TODAYは、登壇各社にイベントで発信したいテーマを紹介する事前企画を展開。イベント本番に向けた意気込みと訴求したい内容のヒントを提供します。第3回は、テレニシ法人事業本部ソリューション営業二部部長の吉田寛之氏です。

▲テレニシ法人事業本部ソリューション営業二部部長の吉田寛之氏

ソフトバンクグループで携帯電話を含むモバイル端末の販売など各種通信サービスを手掛けるテレニシが、運送業における点呼の支援ビジネスに参入したのは2013年のことです。その動機の一つが、その7年前に福岡市東区の「海の中道大橋」で発生した飲酒運転事故でした。

5人家族の乗用車が飲酒運転の後続車に追突された弾みで海に転落。3児が死亡した痛ましい出来事。その後も飲酒運転による悲惨な事故が続くなかで、「通信の技術でこうした事故をなくすことはできないか」との思いから開発したのが「IT点呼キーパー」です。

輸配送の現場で、厳格化と効率化の両立を求められる点呼業務。安全な運行を確保するために不可欠な業務であるのはもちろんですが、EC(電子商取引)サービスの普及による取扱量の増加に人手不足が重なり多忙を極める現場からは、少しでも効率的に対応したいとの声が上がっているのも事実です。さらに、こうした現場ではパソコンなどIT機器の操作に不慣れな従事者も少なくありません。

テレニシは点呼支援システムの開発にあたって、こうした現場のニーズをできる限り多く集めて分析。こうして生まれたIT点呼キーパーは、「正確な点呼」「クラウドでの一括保存」「あらゆる点呼への対応」「簡単な操作」の4つの利点を訴求しながら、運行管理者の労務改善を実現する点呼システムとして、運送事業者を中心に支持を広げています。

(イメージ)

輸配送をはじめとする物流業界では、「物流DX(デジタルトランスフォーメーション)」の掛け声のもと、現場業務の効率化や就労環境改善に向けた取り組みが進んでいます。政府による点呼業務の高度化に向けた制度設計の動きもあり、点呼業務を支援する機器・システムの開発も加速してきました。ことし4月に制度化された遠隔点呼は、こうした点呼業務の効率化をさらに促す取り組みとして注目されています。

まさに「点呼DX」というべき状況のなかで、運送業界では戸惑いも広がっているようです。ここでしっかりと認識しておく必要があるのは、点呼という業務の本来の目的です。IT点呼から遠隔点呼、さらにはAI(人工知能)点呼やロボット点呼の実用化に向けた取り組みも進むなど、点呼の先進化は一気に加速しそうな勢いです。

しかし、点呼は安全運行を担保するための取り組みであることを忘れてはなりません。ある現場で対面での点呼が最適だと判断するのであれば対面点呼を、遠く離れた営業所間で点呼を適正に実施するためにはIT点呼や遠隔点呼を活用するなど、それぞれの現場のニーズに合わせた先進的な点呼システムを利用するのが良いでしょう。つまり、現場の実情や課題認識に応じて使い方を的確に選択する「眼」が求められるのです。

▲「IT点呼キーパー」製品イメージ

テレニシのIT点呼キーパーは、あらゆる点呼方式にも対応して最適化・効率化を実現できる仕様が強みです。将来的には、点呼だけでなく勤怠管理やデジタルタコグラフ(デジタコ)などの機能を組み合わせたプラットフォームの構築も視野に入れています。ソフトバンクグループならではの取り組みとして、スマートフォンを活用して運行管理に係る機能を一本化したシステムを提供するアイデアもあります。

こうしたシステムの進化を巡る構想のベースにあるのは、あくまで「世の中から飲酒運転をなくしたい」との思いなのです。今回のイベントでこうした理念を共有することができれば、新たな点呼のあり方を提示する好機になるかもしれませんね。

IT点呼キーパー製品ページ

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