話題東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の国際物流総合展2022。3日目の15日は、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)に詳しいローランド・ベルガーのコンサルタント小野塚征志氏が「DXによるビジネスモデルの革新/単なるデジタル化ではない、儲かる物流DXとは?」と題して講演した。
初日から続く総合展のメイン講演会「ロジスティクスイノベーションフォーラム」の6講演目として登壇した。会場には物流企業や荷主企業の経営者やDX担当者ら大勢が詰め掛けた。
小野塚氏は、中国の運送マッチング会社や米国の国際航空貨物会社、日本のロボットメーカーや大手家具チェーンなど、さまざまな業界・企業のDX成功事例を紹介。「DXは目的ではなく目指す姿を実現するための手段」であるとし、「誰から、どの価値提供を通じて、どのような方法でリターンを得るか」といった戦略を具体化することが肝要であると指摘した。
その上で、物流企業の経営者やDX推進責任者に向けて、マインドセットを改める必要があると説いた。「モノやサービス志向のビジネスデザイン」「フォロワー的思考」「短期的/個別的な経営判断」といった従来型のマインドセットから、「価値志向のビジネスデザイン」「イノベーター的思考」「長期的/ふかん的な経営判断」といったDX時代のマインドセットに切り替えるべきだと主張した。
小野塚氏は「10年後、20年後の社員から『なぜあの時、DX化をやらなかったのか』と言われることのないように、ビジネスモデルを進化させ、勝ち残ってほしい」と、来場者らに訴えた。