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日野自取締役ら4人が辞任、不正問題で引責

2022年10月7日 (金)

財務・人事日野自動車によるエンジン認証不正問題を受け、日野自動車は7日夜、経営責任を明確化するとして、生産部門担当などの取締役ら4人が辞任し、小木曽聡社長の月額報酬50%を6か月分減額するなどの処分を発表した。小木曽社長は続投し、新たに技術開発本部長にも就く。

同日付で辞任するのは生産本部長の皆川誠氏、コーポレート本部長の久田一郎氏、事業基盤強化推進室・コンプライアンス推進室担当の中根健人氏の取締役・専務役員3人と、技術開発本部長の長久保賢次専務役員。品質本部長の玉木豊久氏は同日付で降格する。

専務役員(本部長)は月額報酬30%、社外取締役・非常勤取締役は同20%をいずれも3か月間減額する。また2003年以降、同社の代表取締役だった元役員らに対して、当時の報酬の一部について自主返納を求める方針も明らかにした。

さらに、同社は7日、9月9月付で国土交通省から受けた是正命令に対し、再発防止報告書を提出したことも発表。二度と不正を起こさないための「3つの改革」を策定し、経営や企業風土などの改革を進める考えを示した。

▲二度と不正を起こさないための「3つの改革」(出所:日野自動車)

一連の認証不正問題では、国内向けトラック・バス用の複数のエンジンで排出ガスと燃費性能に関する不正が見つかった。

国の認証試験のデータを書き換えたり規定違反の方法で測定したりし、国土交通省の調査への虚偽報告もあった。本年3月に大・中型トラック用エンジンで最初に不正が発覚し、第三者調査を経て8月に対象エンジンが拡大。その後も国交省の検査で小型トラックにも不正が広がった。

日野は9月9日に国から是正命令を受け、大・中型エンジンの型式指定を取り消された。一時は国内向けの大半の車種が生産・出荷停止に追い込まれ、9月中旬から中型(一部)と小型のトラックの出荷を段階的に再開したが、大型は型式指定を取り直すため再開時期が見通せない状況だ。

経営陣らの処分や新たな執行体制については、8月2日の記者会見で「3か月をめどにとりまとめる」と先送りしていたが、厳しい批判を受け、早期の対応を迫られていた。