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マースクとIBM、貿易PFトレードレンズを廃止へ

2022年11月30日 (水)

(出所:A.P.Moller-Maersk)

ロジスティクス欧州海運大手のA.P.Moller-Maersk(A.P.モラー・マースク、デンマーク)と米IBMは29日、両社が共同開発した貿易プラットフォーム「TradeLens」(トレードレンズ)のサービス終了と廃止を決定したと発表した。2023年3月末までに廃止する。ブロックチェーン技術を使い、海運会社や荷主企業、港湾や税関当局などが情報を共有できるシステムだったが、利用者の広がりと採算性が不十分で、商業的な継続ができなくなったとしている。

発表によると、トレードレンズの担当者チームは今後、事業の撤収とプラットフォームの廃止の作業に着手し、2023年第1四半期(1~3月)末までには終了する予定という。終了に至る過程で、顧客に迷惑が生じないよう対応するとしている。

トレードレンズのプラットフォームは2018年に発表され、IBMとマースクの一部門「GTD Solution」がブロックチェーン技術を用い、より効率的で安全な世界貿易を促進するための海運ソリューションとして共同開発した。

発表文の中で、マースクのビジネスプラットフォーム部門長であるロテム・ハーシュコ氏は「トレードレンズは、オープンで中立的なプラットフォームとして、グローバルなサプライチェーンのデジタル化を飛躍させるという大胆なビジョンのもとに設立された。残念ながら、私たちは実行可能なプラットフォームの開発には成功したが、完全にグローバルな業界コラボレーションは達成されていない」と述べた。その上で「トレードレンズは独立ビジネスとして業務を継続し、財務面で維持できるだけの商業的可能性のレベルに達していない」と述べた。

一方、同氏は「私たちはトレードレンズの活動を足掛かりに、デジタル化をさらに推し進め、技術者のエネルギーと能力を新たな方法で活用したいと考えている」とも述べ、トレードレンズを発展させるなどして新たな手法に移行することへの含みを持たせた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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