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スマートドライブが東証に新規上場

2022年12月15日 (木)

ロジスティクススマートドライブは15日、東京証券取引所のグロース市場に新規上場したと発表した。今回の上場を節目として、事業展開の拡大に必要な資金を市場から調達するとともに、機関投資家をはじめとするステークホルダーに対する企業価値のさらなる創出を図る。

▲スマートドライブの北川烈社長

北川烈社長は記者会見で、「我々のサービスを必要としている顧客はまだまだ多い。都市部と地方の両方で事業展開を加速していく契機にしたい」とした上で、「モビリティーデータを活用して事業を展開する企業として先陣を切った上場。恥ずかしくないように取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

同社は15日、2023年9月期の連結業績予想を公表。売上高は前期比43.9%増の17億8200万円、営業損益は8600万円の赤字(前期は3億1900万円の赤字)、経常損益は8300万円の赤字(3億200万円の赤字)、最終損益は8500万円の赤字(3億300万円の赤字)とした。1株あたりの配当金は無配を予想している。

売上高の予想数値の内訳は、商用車などのクラウド車両管理などのDXやモビリティーデータの分析サービスを提供する「国内FO(フリートオペレーター向けサービス)事業」で13億1700万円、国内FO事業の各種サービスのパッケージ化によりパートナー企業のビジネス創出を支援する「国内AO(アセットオーナー向けサービス)事業」で4億6200万円をそれぞれ見込む。

北川社長は今後の黒字化について、「年々赤字幅は縮小している。利益率の高いAO事業による収益を確保するなどして、黒字化の道筋をつけていく」とした。

物流DXの支援ビジネスに注力する同社が株式公開に踏み切ったのは、独自技術に基づく輸配送ビジネス支援サービスの開発を加速する事業基盤を確立するためだ。23年10月には設立から10年の節目を迎えるのを前に、既存事業の深化と新規施策の開拓の両立による新たなビジネスモデルの開拓を図るための「ギアチェンジ」の機会とする狙いだ。

(イメージ)

さまざまな構造的問題を抱える物流業界で喫緊の対応を求められるのが、輸送業務における効率化・最適化だ。自動車運転業務における年間の時間外労働時間が960時間に制限されることで発生する「物流の2024年問題」はその象徴だ。

事業者には、ドライバーの就業環境のさらなる改善を図るとともに、車両管理の最適化を促進する必要が生じる。とはいえ、EC(電子商取引)サービスの広がりで取扱量が増加する一方で人手不足に悩む現場が、こうした取り組みを自ら構築するのは難しいのが実情だ。同社はそこにビジネス機会を見い出し、独自のモビリティデータ分析技術を軸とした先進システムの提供などによる問題解決策を提示することにより、物流現場における業務の効率化・最適化を支援していく。

15日の東京株式市場で、スマートドライブ株は公開価格より310円高い1630円で初値をつけた。一時1725円まで値を上げ、1472円で取引を終えた。出来高は589万1100株だった。北川社長は「モビリティデータを活用したビジネスの伸びしろは十分にある。株主との対話を深めていきたい」と語った。

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LOGISTICS TODAY編集部
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