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川崎汽船、完成車Tにヤード効率管理システム

2022年12月26日 (月)

▲ヤード管理システム端末(出所:川崎汽船)

ロジスティクス川崎汽船とグループのダイトーコーポレーションは26日、完成車ターミナル「横浜港大黒C-4ターミナル」(横浜市鶴見区)に業務効率化を目的にしたヤード管理システムを導入し、11月から運用を始めたと発表した。

発表によると、新システムはターミナル内での車両の搬出入状況や車両情報、蔵置場所を一元管理。マッピング機能で蔵置図の自動作成にも対応する。さらに蓄積したデータを分析することにより、車両蔵置台数も予測でき、効率的なヤード運営につながる。

輸出する中古車に関しては、QRコードによる車両管理を実施。ハンディー端末を使用することで、場所を問わず現場の状況を正確に把握し、同システムを通じて関係者が最新の情報を共有できる。

▲端末内の表示イメージ

同ターミナルは川崎汽船グループが国内で初めて運営する施設。敷地面積は15万3500平方メートルで、蔵置可能台数は8000台。

ことし4月に稼働して以降、構内で使用する業務車両のEV(電気自動車)化やソーラーカーポート設置など環境に配慮した運営に取り組んでいる。今回のシステム導入により、さらに付加価値の高いターミナル化を推進する。

港湾業務でのDXの取り組み、さらなる認知拡大が機能強化を後押しする

年の瀬を迎えた2022年も、物流業界のさまざまな場面でDX(デジタルトランスフォーメーション)というフレーズを耳にした1年だった。輸送や倉庫の現場だけでなく物流に関わる全ての領域で、先進的なデジタル機器・システムを活用して業務の効率化・最適化を図る取り組みを取材する機会も多かった。こうした動きは来たるべき23年も間違いなく加速していくだろう。

川崎汽船とダイトーコーポレーションが、横浜港で完成車のヤード管理システムを稼働させた。宅配サービスなど日常生活で目にする機会の多い業務と異なり、海運業界におけるこうしたDXの取り組みに触れる機会は少ない。しかし、こうした港湾における貨物の管理業務の現場にも急速な変革の波が押し寄せているのが実情なのだ。

港湾での貨物取扱業務を巡っては、特有の作業ノウハウや慣習も反映して、なかなか近代化が進まなかった。もちろん、現場ではベテランの従事者が長年蓄積してきた手法が重用されてきた側面もあり、こうした慣行がスムーズな荷扱いを主導してきたのも事実だろう。

とはいえ、輸送品質のさらなる向上を求める社会の要請は、もはやこうした熟練作業では対応できない局面を迎えようとしている。急速に進む少子高齢化も、こうした流れを早めることとなった。省力化・省人化を図る上で、DXの潮流に対応するのは必然と言ってもよいだろう。

こうした港湾の現場で進むDXの取り組み。メディアを含めた業界全体がこうした活動をもっと「見える化」する努力をすることで、社会を支える機能を担っている港湾業務の現実がより広く認識され、結果としてさらなる機能強化につながるのではないか。(編集部・清水直樹)

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