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立ち往生回避へ大雪関連情報を臨時配信、WN

2023年1月24日 (火)

環境・CSR今季最大の寒波到来を控え、ウェザーニューズ(千葉市美浜区)は1月24〜26日、大雪による立ち往生など災害リスクを回避するため、スマホアプリ「ウェザーニュース」上のコンテンツ「大雪ピンポイント」を臨時で立ち上げ、大雪関連情報を配信する。

大雪ピンポイントは、独自の1キロメッシュの高解像度な積雪予報データを活用。3日先までの降雪予想や雪による公共交通期間への影響予測、路面凍結に関するリスク予報などを市区町村単位で確認できる。利用無料。

▲大雪ピンポイントのサービス画面(クリックで拡大、出所:ウェザーニューズ)

同社が24日11時時点として発表した降雪予想によると、北陸の山沿いで1日100センチ前後の雪が降り、近畿北部や山陰でも50センチ以上と近年にないレベルの大雪になるおそれがある。

また、九州や四国、関西など太平洋側の都市部も降雪の可能性がある。25、26日の朝は冷え込みが非常に強まり、東京都心や大阪、名古屋でも最低気温が氷点下となるため注意を呼び掛けている。

10年に一度の寒波が列島に襲来、物流の底力が問われる局面に

物流に深刻な影響を及ぼす要素として近年、注目されるようになったのが「雪」だ。2018年2月に福井県をはじめとする北陸地方を襲った豪雪では、国道8号で総延長40キロ近い大規模な立ち往生が発生。北陸自動車道やJR北陸線を含めた物流の大動脈が不通となったことで、店舗から商品が消えた。

豪雪に悩まされてきた北陸地方も、道路における融雪・除雪技術の進化や降雪量の減少傾向などから、物流への影響は縮小されつつあった。18年の豪雪は、雪が物流網を遮断するだけの隠然たる力を持っていることを再認識させるには十分だった。

まとまった量の雪は、それが降り積もるだけで終わらないのが悩みの種だ。深夜や早朝に気温が下がればたちまち凍り付いてしまう。逆に気温が上がれば落雪や雪崩、洪水の発生するおそれもある。山間部では春が訪れても雪が消えず、道路の通行にも支障を来たす。

ITシステム開発企業を中心に、相次いでこうした雪に関する予報や注意喚起に力を入れる企業が増えてきたのも、こうした雪による物流へのリスクを重視するようになってきたためだ。雪に関係する高精度な事前情報を提供する取り組みが、物流の確保につながるビジネスとして成立するとみなされるようになったと言ってもよいだろう。

(イメージ)

こうした企業の動きが活発化するまでは、物流業界における雪への対策は、事後の教訓としてノウハウを蓄積していく形で伝承されてきた側面がある。ラジオの天気予想はもちろんだが、目的の方向に広がる空の色や風の冷たさ、対向車が載せている雪の量などを指標に、事前に雪のリスクを察知する力も、熟練ドライバーの腕の見せ所だったと聞く。

しかし、こうしたスキルは残念ながら再現性に乏しくすべてのドライバーに共有できるものではない。大切な心構えとして理解するのは大切なことであるものの、物流を守る使命を具現化するためには、先進的なシステムの活用など客観的なメリットのある取り組みが求められるのは言うまでもない。

「10年に一度の最強寒波」の襲来に対して物流はその機能を守れるのか、そして何を学ぶのか。その真価が問われる局面がやってくる。(編集部・清水直樹)

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