ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

マースクの22年は売上高10兆円超、4Qは減益

2023年2月9日 (木)

(出所:A.P.Moller-Maersk)

国際欧州物流大手のA.P.Moller-Maersk(A.P.モラー・マースク、デンマーク)が8日発表した2022年の連結決算は、売上高が前期比32.0%増の815億2900万ドル(10兆6800億円)、EBIT(利払い前・税引き前利益)が56.9%増の308億6000万ドル(4兆400億円)と、増収増益となった。「史上最高の業績」という。年の前半に国際海運の運賃市況で異常な高騰が続いていたことや、積極的な企業買収が好業績の主な要因だ。ただ、年終盤は国際海運市況が正常化したことなどで収益が低下しており、23年度の業績見通しには保守的な見方をしている。

22年決算を部門別に見ると、海運部門では、上半期の高い運賃と旺盛な需要により収益は33%増え、過去最高を達成した。年間を通じて顧客との安定した長期契約や高いマージンを維持できた。ロジスティクス&サービス部門も47%の増収となり、特に倉庫業の成長が著しい。LF Logistics(LFロジスティクス、香港)の買収だけで198棟、310万平方メートルの倉庫が追加され、グループの倉庫面積は前期の2倍以上の710万平方メートルとなった。ターミナル部門では、堅調な取扱量の伸びと高い保管収入に支えられ、EBITは過去最高の12億ドル(1600億円)に達した。

同時発表した22年第4四半期(10~12月期)連結決算は、売上高が前年同期比3.7%減の178億2000万ドル(2兆3300億円)、EBITが22.8%減の51億2200万ドル(6700億円)と、減収減益だった。年の終盤までに国際海運市場の混乱は収まっており、世界経済の減速懸念もあって今後の海上輸送市場は軟化するとみている。

23年については、世界の海上コンテナ市場の成長率がマイナス2.5%からプラス0.5%の範囲になると予想し、自社の業績もそれと同程度の成長を見込んでいる。EBITは20~50億米ドルと予想した。

ヴィンセント・クラークCEO(最高経営責任者)は「22年はさまざまな意味で注目すべき年だった。当社史上最高の業績をあげ、顧客とのパートナーシップも新たなレベルまで引き上げた。(23年は)マクロ経済の見通しが厳しく、不確実性があるが、ビジネスの変革を加速させ、業務遂行力を高めていく」とコメントしている。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com