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RFID×フォークで在庫管理を自動化、RFルーカス

2023年2月15日 (水)

サービス・商品RFルーカス(東京都渋谷区)は15日、RFIDでモノの位置を可視化する在庫管理システム「Locus Mapping」(ルーカス・マッピング)とフォークリフトを連携させた在庫管理自動化サービス「Locus Fork」(ルーカス・フォーク)の提供を始めた。製造・物流現場での棚卸しや入出庫管理、ロケーション管理が自動で行えるため、業務にかかる大幅な時間やコストの削減、リアルタイムな在庫情報の取得につながる。

同社は2020年4月、RFIDタグが貼られた在庫や物品のロケーションを高精度に検知できるルーカス・マッピングをリリース。これまでに大手企業の倉庫や工場などで導入されている。ハンディーリーダーによる読み取りにとどまらず、自動搬送ロボットにリーダーとアンテナを設置。タグが貼られた在庫を無人で読み取り、在庫の位置を特定してマップに表示できる機能を持つ。

▲在庫検索画面(クリックで拡大、出所:RFルーカス)

今回のフォークリフトとの連携は、物流現場などからの要望を受けて誕生した。自動搬送ロボットと同様に、フォークリフトにリーダーとアンテナを外付けで設置。庫内の作業中に在庫を読み取っていく。収集したデータは位置特定アルゴリズムで解析され、即時に位置情報を反映した棚卸し結果としてマップ上に反映される。

導入メリットとして、作業者が1点ずつ目視で在庫確認したりバーコードで読み取ったりする現場負担を軽減できるほか、熟練者の経験や勘から脱却した作業の標準化、正確な在庫ロケーションの把握によるコスト削減を挙げている。庫内のネステナーや棚だけでなく、床に平置きされた在庫にも対応可能だ。

▲マップ設定画面

利用する部品メーカーからは、製造後のロケーション管理や対象製品を探すのにかかる手間や時間を減らすのに有効との声が出ている。また、運ばれた経路が可視化されるためトレーサビリティーの強化や不良品の検出にも役立てるとしている。

倉庫DX成功の秘策、それは「既に現場にある資産」の有効活用だ

倉庫における業務の効率化は、社会インフラとして円滑な物流を実現する上で欠かせない取り組みだ。保管や仕分け、検品など荷物の輸送における結節点である「扇の要」の機能がスムーズに稼働することで、輸送全体の効率化が実現するからだ。

こうした観点から、物流倉庫におけるさまざまな工程の自動化に資する先進機器・システムの開発が急ピッチで進んでいる。スタートアップを含めたIT企業など多様な事業者が参入して、それぞれの得意な領域を水平展開する形で新製品を開発。こうした技術で現場業務の革新を推進する取り組みは、DX(デジタルトランスフォーメーション)による問題解決の機運も後押しする形で、ここ数年で急速に広がっている。

RFルーカスがRFIDと先進技術を掛け合わせることで生み出したルーカス・フォークも、まさにこうした倉庫DXを象徴する新製品だ。在庫管理という倉庫業務のなかでもシステム化に時間のかかる領域について、フォークリフトを介して情報を可視化するメリットに着目。RFIDによる在庫管理システムにフォークリフトを連携させることで、新たなアプローチの創造に成功した。

(イメージ)

ここで注視したいポイントは、ルーカス・フォークがフォークリフトという倉庫内の既存の資産を活用したサービスであることだ。フォークリフトが存在しない倉庫はおそらくないだろう。それならば、それを有効に活用して業務を効率化できないか――。

いわゆる現場のDXを推進する取り組みを成功させる秘策。既にそこに存在する設備や仕組みの活用にこそヒントがある。DXのあり方に関する議論における一つの方向性として、理解しておくべき事象だろう。(編集部・清水直樹)

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