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阪急阪神Ex、医薬品エコ空輸で仏メーカーと連携

2023年2月27日 (月)

メディカル阪急阪神エクスプレスは27日、仏の梱包箱・保冷剤メーカーのEMBALL’ISO(アンバリゾ)との連携により、医薬品の航空輸送を中心とした循環型クールチェーンサービスを3月1日に始める、と発表した。アンバリゾ製の梱包資材パレットシッパーを使用した新たな輸送形態を採用。医薬品物流における高度な輸送品質と安全性を保証し、環境負荷も低くするのが特徴。

▲EMBALL’ISO製パレットシッパー(出所:阪急阪神エクスプレス)

発表によると、サービスは大型サイズの保冷梱包箱を標準装備しているほか、積載効率が良く利便性とコストメリット向上が期待できる。2度〜25度の温度帯で最大189時間まで管理が可能。

輸送後の梱包資材や保冷剤はアンバリゾが世界80か国以上で無料回収する。再利用とリサイクルを通じてCO2排出量削減にも寄与する。発着地では、医薬品の航空輸送品質認証基準のCEIV Pharma(ファーマ)認証、GDP認証(医薬品の適正な流通基準)を取得した事業者がいずれも対応する。

日本国内だけでなく、ベトナム発・欧州向けの海外発サービスも提供する。

輸送過程における地道な活動こそが、持続的な環境対応の原資となる

あらゆる経済活動の前提条件になっている感さえある、環境への負荷を低減する取り組み。モノを運ぶ役割を担う物流も、もちろん例外ではない。むしろ、率先した対応を迫られている業界の筆頭格と言えるだろう。

物流業界で環境対応がテーマとなる機能と言えば、まずは輸送手段だ。現代の貨物輸送の主役であるトラックが矢面に立たされるが、航空機や船舶、さらには鉄道も含めた環境対応策が求められる局面を迎えている。モーダルシフトはその代表例だ。

こうした輸送モードに続いて、近年にわかに注目を集めているのが、輸送過程における環境対策だ。阪急阪神エクスプレスが仏社とともに展開する循環型クールチェーンサービスも、こうした取り組みの好例だ。

(イメージ)

輸送に関連する資材の再利用やリサイクルは、資源の有効活用や廃棄物の削減を促す。最適な輸送ルートの選定は燃料の効率的な消費による排出ガス削減に貢献する。さらに、積載効率の向上は全体的な輸送頻度の最適化を可能にすることから、持続的な環境対応に直結する取り組みだ。

輸送モードの最適化による効果と比べれば、こうした輸送過程の環境対応はインパクトが弱く映るかもしれない。とはいえ、輸送の現場従事者を含めた物流の担い手が知恵をしぼることで将来にわたって継続的な負荷低減を実現できるのは、むしろ後者だろう。

現場における地道な活動の積み重ねこそが、政府の掲げるカーボンニュートラル実現といった壮大な目標を達成する原資となるのだ。(編集部・清水直樹)

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LOGISTICS TODAY編集部
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