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内閣府スーパーシティ構想、つくばで空陸配送実証

2023年2月28日 (火)

▲実証実験のイメージ(出所:KDDI)

ロジスティクス内閣府の「スーパーシティ」構想に基づき、ドローンのレベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)と自動配送ロボットによる配送の実証実験が、茨城県つくば市で3月末まで行われている。ドローンの上空通過を地上の歩行者に「赤信号」の表示で伝える仕組みや、ドローンとロボットのリレー方式による食品配送などを試している。

内閣府から委託を受け、一連の実証実験を行っているのは、KDDIと子会社のドローン事業会社KDDIスマートドローン(東京都港区)、VR(仮想現実)などの制作ツールを手掛けるPsychic VR Lab(サイキックVRラボ、同新宿区)、自動運転技術などの開発会社ティアフォー(名古屋市中村区)の4社。

今回の実証実験は「XR(VRやARなどのクロスリアリティ)によるドローン航路の可視化」と「ドローンとロボットを組み合わせたフードデリバリー」の2つに分かれる。1つ目のドローン航路の可視化では、1月19日~2月27日に、病院の屋上から300メートル離れた検査機関まで、PCR検査の検体を模した物資をドローンで運んだ。

▲ドローンが上空を行き過ぎると、XRアプリ上で表示された歩行者用信号が青に変わった

その中で、ドローンが歩道を横断する際に地上の歩行者にそれを通知するため、地上のデジタルサイネージ(電子看板)や歩行者が持つスマートフォンのアプリの画面に「赤信号」を表示した。歩行者にドローンの上空通過や航路を知らせ、ドローンが行き過ぎると、表示を「青信号」に切り替えた。ドローン輸送は2月27日で終えたが、その後もドローン自体は飛ばさずに上空飛行を想定したデジタルサイネージとスマホアプリへの再現をAR(拡張現実)技術を使って3月31日まで続ける。

また、住民の受容性や認知度向上にどれだけつながったかをアンケートで調べる。それらの実証結果をもとに、レベル4飛行を不特定多数の人々が行き交う都市部で行う場合の輸送ルールを整理し、地域住民の間にドローンを受け入れる空気を醸成する計画だ。

▲自動配送ロボットによる食品配送

2つ目のドローンとロボットによるフードデリバリーは、2月20日から27日まで行われた。スーパーマーケットから1.5キロ先の公民館まで、ドローンで食品を運び、公民館で4輪走行する自動配送ロボットに詰め替えて注文者の自宅まで公道(歩道)を走行した。この実証では、歩車分離など安全な走行への課題を洗い出したほか、全工程を時速6キロで走行するロボットで運ぶのではなく、ドローン(時速36キロ)とロボットでリレーすることによる時間短縮効果を確認した。

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LOGISTICS TODAY編集部
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