ヤマト、外食チェーン・コロワイドの物流を統括

2023年3月28日 (火)

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ロジスティクスヤマト運輸（東京都中央区）は28日、「牛角」「かっぱ寿司」「大戸屋ごはん処」などを展開する大手外食チェーンのコロワイドグループから物流を統括する役割を請け負ったと発表した。ヤマトが宅配事業と並ぶ経営の柱として注力している3PL事業の一環で、強みを持つ多頻度小口配送の物流スキームを駆使し、コロワイドのさまざまな物流課題に対処する。第1弾として2023年夏から給食事業の拡大に取り組む。

発表によると、ヤマトは同日、コロワイドグループの中で原材料の生産・調達や製造、物流などマーチャンダイジングを統括するコロワイドMD（横浜市西区）との間で、リードロジスティクスパートナー（LLP）協定を締結した。この協定では、コロワイドの経営に資するサプライチェーン改革やビジネスプロセス改革を支援するパートナーとしてヤマトを位置付けている。それに基づき、ヤマトは外食産業を取り巻く事業環境の変化に対応した持続可能なサプライチェーンの構築を行う。コロワイドの原材料の加工場（セントラルキッチン）や既存の出荷拠点、店舗といったサプライチェーンの中に、自社のターミナル一体型3温度帯物流施設を始めとする輸配送ネットワークを組み込む。サプライチェーン全体の可視化・最適化も行う。

給食事業は、生産年齢人口減少による外食市場の縮小が懸念される国内において、引き続き堅調な需要が見込める分野だ。コロワイドも給食の拡大を見据えた事業ポートフォリオの変革に取り組んでいる。ヤマトは長年の宅配事業で多頻度小口配送を強みとしており、チェーン店に対する小頻度大口配送が中心のコロワイドの弱点を補完できる。ヤマトは他の給食宅配事業者からもラストマイルの配送を請け負っており、給食宅配のノウハウも持っている。23年夏から、企業や大学などコロワイドの給食提供先や、株主優待・直販サイトを通じた個人顧客などへの配送に関し、原材料調達から販売に至るコロワイドの物流ネットワークを再構築する。商材の保管・出荷拠点をヤマトのターミナル一体型施設に集約することで、効率的でスピーディーな出荷を実現する。全国配送にも対応し、配達までのリードタイムも短縮する。

ヤマトは給食事業と並行して、コロワイドの課題である小規模店や郊外店への物流効率化や、個人向け外販事業の強化という課題にも取り組む。将来は海外事業の拡大にも協力する。また、LLP協定には、気候変動の緩和や循環型社会の形成を念頭にCO2削減や持続性ある原材料の調達、食品ロス削減などへの取り組みも強化することも盛り込んでいる。