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出光の金属非含有ディーゼルエンジン油が受賞

2023年4月27日 (木)

認証・表彰出光興産は27日、日本自動車技術会規格(JASO)で大型ディーゼル車用(DH-2)の性能を持つ、金属を含まないディーゼルエンジン油を業界で初めて開発したとし、自動車技術会が主催する自動車技術会賞で「技術開発賞」を受賞したと発表した。「物流業界の環境負荷低減、運転手の労働環境改善に貢献できる点が評価された」としている。

▲idemitsu AshFree(出所:出光興産)

ディーゼル車には、排ガス中のすすやエンジン油添加剤由来の粒子を捕えるフィルター(DPF)が搭載されており、捕捉されたすすは燃焼されるが、金属系添加剤由来の粒子はフィルターに留まり目詰まりを引き起こしてしまう。出光は従来のディーゼルエンジン油で必須成分とされていた金属系洗浄剤や金属系耐摩耗剤を使用せず、独自開発の添加剤などを使用して金属非含有のエンジン油を設計。排ガス後処理装置を搭載するトラック・バス用のエンジン油規格であるJASO DH-2規格の性能を有していることを確認し、2022年9月、この技術を使った無リン無灰のディーゼルエンジン油「idemitsu AshFree」(イデミツ・アッシュフリー)を発売した。

イデミツ・アッシュフリーはDPFの目詰まりの原因となる灰を出さないことでDPFの寿命を延ばし、交換や洗浄などのメンテナンス業務を軽減し、メンテナンスコストの削減や、整備士の労務時間削減に寄与するとしている。DPFには粒子状物質を手動で燃焼させることで性能を保持できる「手動再生」という清掃手段があるが、これには30分ほど車両を停止させて行う必要がある。イデミツ・アッシュフリーならDPFの手動再生を抑制でき、運転手の待機時間削減や、CO2排出量削減につながる。

自動車技術会賞は自動車工学、自動車技術の向上発展の奨励を目的に1951年に創設。現在は6種の賞が設定されており、このほど出光が受賞した技術開発賞は、自動車技術発展に役立つ新製品、新技術を開発した個人や共同開発者に贈られる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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