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商船三井の今期最終利益は7割減、海上運賃高反動で

2023年4月28日 (金)

財務・人事商船三井が28日発表した24年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比7.6%減の1兆4900億円、経常利益は同75.4%減の2000億円、最終利益も73.6%減の2100億円だった。コンテナ船運賃の「歴史的高値」の反動を受ける形で減収大幅減益を予想した。

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同日発表された23年3月期連結決算は、売上高が27%増の1兆6119億8400万円、経常利益が12.4%増の8115億8900万円、最終利益は12.3%増の7960億6000万円だった。

セグメント別では、ドライバルク事業の売上高が19.1%増の4296億円、経常利益は33.3%増の576億円。

ケープサイズの市況はインド向け石炭需要が好調も、5月をピークに新型コロナウイルス感染症の規制緩和や撤廃などで船腹需給が緩み、夏場にかけて大幅に下落。パナマックスおよびハンディマックス船型以下では、上半期は石炭や穀物の堅調な需要があっものの7月以降は中国向けの荷動き減少などで軟化し、下半期も中国向け石炭や南米積みの穀物、鋼材などの荷動きの減少により、おおむね弱い基調で推移した。

エネルギー事業は、売上高が32.2%増の3887億円、経常利益が2倍の395億円だった。

タンカー市況は、原油船がロシアのウクライナ侵攻により、貿易パターンの変化によるトンマイルの伸長などで夏場以降の市況が堅調に推移。石油製品船は、ロシア産石油製品の代替調達によるトンマイルの伸長で、年間を通じて堅調だった。オフショア船は新たに2隻を竣工し、既存の長期貸船契約により安定して利益を上げた。LNG(液化天然ガス)船事業でも既存の長期貸船契約で安定した利益を確保したが、一部長期契約の満了もあって減益となった。

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製品輸送事業は、売上高が31.4%増の6773億円、経常利益が6.4%増の7054億円だったが、うちコンテナ船事業では売上高が6.4%減の530億円、経常利益が2.2%減の6201億円となった。

コンテナ船は持分法適用会社のオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)で上半期は北米や欧州航路を中心に旺盛な需要が継続したが、下半期は港湾の混雑緩和、北米商品在庫の積み上がりとインフレ進展による欧州での消費減退に伴い、短期運賃市況が急速に下落した。上半期の利益の上積みがあったことで、結果的に前期並みの損益を維持した。

自動車船は世界的な半導体不足などで完成車荷動きが変動し、柔軟に配船計画を見直すことで前期並みの輸送台数を確保し、輸送効率を改善し増益につなげた。港湾・ロジスティクス事業では、港湾事業でのコンテナ取扱量が堅調に推移、ロジスティクス事業では航空・海上運賃市況の軟化を受けたが、上半期で積み上げた利益で増益となった。フェリー・内航RORO船は、旅客が大幅に回復し、物流では自動車部品関連の回復が遅れているもののおおむね安定して推移し、損益は改善された。

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LOGISTICS TODAY編集部
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