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バースから庫内まで一気通貫の自動化

倉庫業務効率化、次の一手は

2023年5月10日 (水)

(イメージ)

話題メーカーの物流拠点を中心に、バース管理から倉庫内作業まで一気通貫で自動化する事例が出てきた。しかし実際に自動化を検討する際に、完全自動入出庫はハードルが高く感じるケースもあるのではないか。その前段階として、部分的な省人化・自動化から取り組む企業も目立ち始めている。

自動化が進む背景にあるのは、荷待ち解消やホワイト物流への参画に迫られる荷主企業の現状だ。ドライバーの負荷軽減、周辺道路の渋滞解消などを課題としている。一方でいざ自動化に向けた製品導入の稟議を通すとなれば、費用対効果を示すうえで自社のコスト削減も重要だ。そのためトラック入出庫管理に省人化・自動化を求める動きが強まる。

トラック入出庫管理の自動化で渋滞の解消と人員削減を実現

トラック入出庫管理の自動化により、周辺道路の渋滞解消と人員削減を同時に実現した一例として、某大手メーカーの事例が挙げられる。その実現を支えているのがシーイーシー(東京都渋谷区)が手がける物流効率化ICTソリューション「LogiPull」(ロジプル)だ。ここでは、トラック予約受付やバース管理システム機能を使用して渋滞の解消と人員削減を実現した例を紹介しよう。

まず入場するトラックのドライバーはLogiPullで事前に入場予約を行う。予約制にすることでトラックの混雑は平準化され、渋滞の抑制につながっている。次に予約を行ったトラックが入場ゲートに到着する。このときバーゲートは閉まった状態だ。設置されたカメラがトラックの車番(ナンバープレート)を読み取り、予約済みの車番情報と照合できればバーゲートが開く。その後、予約データとバースの利用状況をもとに電光掲示板がトラックの行き先(バース番号もしくは待機場)を示し、トラックを誘導。バースの利用状況は現場の作業記録端末から連携される。この仕組みにより受付・誘導業務が自動化され、警備室要員の人員削減を実現した。

▲LogiPullの主な機能(クリックで拡大)

エリア統括事業本部西日本サービス事業部の西山充氏は、トラック入出庫管理の自動化について「車番カメラ、電光掲示板を制御する技術が必要です。入庫管理におけるトラック誘導のルールはお客様によって異なりますので、都度定義しなければなりません。早着や未予約のトラックなどに臨機応変に対応する必要もあります。ニーズにあわせてカスタマイズできるのが、他社にはないLogiPullの強みです」と自信をもって話す。

また、属人化の解消にも効果を見せている。

「ドライバーさんから伝えられる品名や仕入先・出荷先などの情報をもとに、どこのバースに向かえば良いのか受付で案内をしていらっしゃる倉庫は多いと思います。こうした場合は、担当者でないと案内先がわからないといった属人化に陥りくなります。LogiPullはその点も解消できます」(西山氏)

バース管理の効率化を実現した先に、庫内処理能力の課題

一方で部分的な自動化が実現したことにより、次の課題が浮き彫りになった。トラック入出庫の予約で混雑を平準化し、ゲートや電光掲示板で案内を自動化できたとしても、荷物の準備が間に合わなければ結局は荷待ちが発生してしまうのだ。

▲シーイーシーエリア統括事業本部西日本サービス事業部の西山充氏

「従来受付で発生していたタイムロスは解消できましたが、最終的に荷揃えや積み込みで時間がかかると全体の効率化には繋がりません。倉庫内の処理能力を上げていかなければならないと感じ、倉庫運用管理システムの『LogiPull WES』(ロジプルWES)の開発に至りました」(西山氏)

WESはWarehouse Excecution System(ウェアハウス・エクスキューション・システム)の略で、倉庫運用管理システムとも呼ばれる。マテハン機器や人、自動倉庫など庫内処理を行うリソースを管理・制御して繋げるためのシステムだ。トラックの入出庫管理と積み降ろし作業、倉庫内作業の自動化を一気通貫に制御できれば、24時間365日人手をかけない完全自動倉庫が見えてくる。先の事例にあった大手メーカーも、次のステップとしてマテハン機器との連動を見据えているという。

(イメージ)

シーイーシーにはすでに成功事例があるのも頼もしい。

「到着した出荷車両と自動倉庫における出荷作業の順番がリンクせず、無駄な待機が発生するといった課題をお持ちのお客様がいらっしゃいました。この課題に対し、LogiPull WESを活用し、バース管理システムと自動倉庫を連携させ、待機を解消した事例があります」(西山氏)

ほかに、生産ラインとAGV、自動倉庫を繋げた自動化の実現事例もある。この先進的な事例について、シーイーシーは5月下旬のオンラインセミナーにて詳しく解説する予定だ。

バース管理とWES、両方のソリューションを揃えているベンダーはシーイーシー以外に、まだ例を見ない。セミナーでは、世に出ていない新しい事例の紹介を無料で視聴できる。倉庫内やトラック入出庫の効率化・自動化を本気で目指す企業にとっては貴重な情報を入手できる機会になるだろう。定員は各回100人となっている。興味ある方は早めの申し込みをお勧めする。

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