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オリックス不動産の「巨艦級」物流施設、群抜く汎用性

2023年6月5日 (月)

話題神奈川県北部に位置する愛川町。かつて、旧日本陸軍の相模飛行場が置かれるなど、「軍都・神奈川」の一翼を担ったこの地は、戦後の高度経済成長期に内陸工業団地に生まれ変わるなど、県内を代表する産業エリアとして発展を続けている。さらに、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)や新東名高速道路の延伸に伴うインターチェンジの開業を契機として、首都圏の近距離配送だけでなく、中京圏や関西圏を含めた広域輸送拠点の役割も求められるようになっている。

この愛川町に2024年2月、東京ドーム4個分に相当する延床面積18万平方メートルを超える大型物流施設が誕生する。オリックス不動産(東京都港区)が開発するマルチテナント型物流施設「厚木IIIロジスティクスセンター」だ。

▲「厚木IIIロジスティクスセンター」外観パース

2002年の事業開始から、これまで48の物流施設投資開発実績を有するオリックス不動産。「物流ビジネスの要衝」としての期待が高まるこの地で、過去最大規模のプロジェクトを推進する開発背景には、物流施設の開発が相次ぐ県央部における差別化戦略があった。

「厚木エリア」で大規模スペース施設を打ち出し差別化

▲投資開発事業本部物流事業部 倉田裕章副部長

隣接する厚木市を中心とした、いわゆる「厚木エリア」における物流施設の進出は、新東名高速道路の県内における延伸に呼応して、その勢いを増している。その圏域は市町の境を超えて愛川町にも波及している。この競争力の激しい「厚木エリア」において、開発規模の大きさで差別化を図るべく、オリックス不動産は愛川町での開発に着目した。

「物流施設の開発が相次ぐ厚木エリアで、ここまで大規模なスペースを確保している物件は少ないでしょう」。投資開発事業本部物流事業部の倉田裕章副部長は、厚木IIIロジスティクスセンターの優位性をこう強調する。

広大な敷地に巨大な建物がそびえる印象の強い物流施設。しかし、物流施設が集積するエリアでは、限られた敷地を有効に活用するため、複数階にまたがる垂直移動が必要となる「ボックス型」が採用される事例も少なくない。

厚木エリアも例外ではなく、ボックス型に含まれる物件が目立っている。こうしたエリア特性を踏まえると、各階に接車でき、ワンフロア使い可能な「ダブルランプウェイ方式」を採用した厚木IIIロジスティクスセンターは、他社にはない高い競争力を持つと言える。

▲外観エントランスイメージ

 

広大な敷地が可能にする「高い汎用性」の施設を追求

ダブルランプウェイ方式を採用し、地上6階建ての各フロアに10トン車ベースで55台が同時に接車できるトラックバースを配置。こうした大胆な仕様も、広いスペースをワンフロアで活用できる施設だからこその利点だ。「45フィートのトレーラーまで対応できる設計で、近距離配送から広域輸送、さらには東京港や川崎港、横浜港といった港湾を経由する貨物も受け入れることができるようにしています」(倉田氏)。

あらゆる荷物が集まる物流の要衝で、その種類を選ばない「懐の深さ」を打ち出すオリックス不動産の戦略。そこには、広大なスペースを獲得することで初めて実現できる「高い汎用性」を持つ施設の追求がある。

▲乗降ロビーイメージ

オリックス不動産では、この広大なスペースについて、最小区画を1857坪(6138平方メートル)と設定し、最大18社のテナントに貸し出す計画。大手から中小まであらゆる輸送事業者が拠点を置く厚木エリアならではの「転貸需要」を視野に入れるとともに、大手運輸企業グループの集配センターとの連携も積極的に進めていく。こうした「厚木エリア」という地域特性をフル活用した、戦略の行方にも注目が集まりそうだ。

危険物倉庫の併設で差別化を加速

ここまで、厚木IIIロジスティクスセンターの広さがもたらす強みを検証してきた。そして、オリックス不動産ではさらなる差別化ポイントで「危険物倉庫」の併設を掲げる。

危険物倉庫は、輸送・保管サービスの多様化・高度化を背景に、国内の物流業界で注目を集めている。新型コロナウイルス感染拡大によるアルコール消毒剤など危険物保管需要の高まりを契機として、整備を検討する動きが急速に広がっている。また、企業のコンプライアンス体制の強化を図る観点からも、危険物倉庫の需要が全国的に強まっている。

オリックス不動産が、厚木IIIロジスティクスセンターで展開する危険物倉庫は「一般倉庫と同一敷地内に設置することで、入居企業のコンプライアンス遵守をサポートするとともに、入居企業の製品配送の効率化にも貢献できると考えています」(倉田氏)という。

オリックス不動産は、物流集積エリアで、こうした新潮流を一足早く提示することで、他施設との差別化だけでなく物流施設の将来の「あるべき姿」をも提示しようとしている。

「環境配慮型物流施設」の開発で、100%再生可能エネルギー由来の電力提供によりビジネスを支援

2002年より物流施設の開発事業を行うオリックス不動産だが、近年は「環境配慮型物流施設」をコンセプトとした物流施設開発を強化している。もちろん、厚木IIIロジスティクスセンターでも脱炭素に向けた施設開発を推進している。そのひとつが、再生可能エネルギー由来電力の供給だ。

「オリックス不動産の開発する物流施設は、第三者所有モデルによって屋根に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を施設全体に供給しています。夜間や天候の影響によって発電量が不足する場合でも、再エネ由来電力を調達することで、入居するテナント企業の100%再エネ由来電力使用を可能としており、企業の脱炭素化のニーズに応える施設開発を行っています。」(倉田氏)。

厚木Ⅲロジスティクスセンターは、こうした環境負荷低減の取り組みに加え、地域共生を実現する「四季の庭」を設置し、地域環境との親和性を持たせている。既存の緑地帯を活用し、生物環境保全にも配慮する環境配慮型の物流施設として、開発が相次ぐ厚木エリアでも存在感をみせるのではないか。その全容は2024年の2月に明らかとなる。

▲四季の庭テラス

※記事に掲載の全パース画像は計画段階のもので、今後変更になる場合がございます。

厚木Ⅲロジスティクスセンターの概要
所在地:神奈川県愛甲郡愛川町中津字桜台4025-1他(神奈川県内陸工業団地内)
敷地面積:7万5544.56平方メートル(約2万2852.22坪)
延床面積:18万1809.78平方メートル(約5万5464.63坪)
構造:RCS造、地上6階建
交通:首都圏中央連絡自動車道「相模原愛川インターチェンジ」3.8キロ、首都圏中央連絡自動車道「圏央厚木インターチェンジ」5.3キロ、JR相模線「原当麻駅」4.3キロ
竣工:2024年2月予定
詳細・問合せ:https://www.orix-logi.jp/lease/atsugi-3.html
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