調査・データ国土交通省は23日、トラック・物流Gメンによる「集中監視月間」(2025年10月-11月)の取り組み結果と、それを踏まえた対応を公表した。適正な取引を阻害する疑いのある荷主や元請け事業者への監視を強化し、371件の是正指導を実施。このうち、過去に是正を求める「要請」を受けながら改善が見られなかった着荷主1社に対し、貨物自動車運送事業法に基づく「勧告」を行い、公表に踏み切った。
集中監視月間では、トラック事業者への実態調査や倉庫業者へのアンケート、関係機関からの情報を基に、363件の「働きかけ」と7件の「要請」を実施した。勧告対象となったのは大黒天物産(岡山県倉敷市)で、長時間の荷待ちが違反原因行為として認定された。同社は23年にも要請を受けており、改善が不十分と判断された形だ。
今回の取り組みでは、初めて倉庫業者を対象に全国アンケートを実施。回答858社のうち35社(4%)から、寄託者の振る舞いがトラック事業者の法令違反を誘発するおそれがあるとの指摘が寄せられた。これを受け、倉庫業者向けの通報窓口を地方運輸局にも新設した。さらに、都道府県トラック協会のGメン調査員が全国で50件の違反原因行為に関する情報を収集した。
周知啓発活動も大規模に展開された。荷主や元請け事業者を対象とした荷主パトロールは全国で1473件に上り、高速道路のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)でのドライバーへの聞き取りも46回実施した。加えて、26年1月施行の中小受託取引適正化法(取適法)を見据え、地方運輸局と公正取引委員会地方事務所が初めて全国規模で連携。合同荷主パトロールや啓発活動を34回行い、10月末には東京で大規模パトロールを実施し、120社の荷主に直接周知した。
違反原因行為の内訳を見ると、長時間の荷待ちが最多で4割を占め、契約にない付帯業務、運賃・料金の不当な据え置きが続く。実態調査では、前年より違反報告件数は4割減少しており、Gメンの是正指導や改正物流法の施行による一定の効果がうかがえる。一方で、食品・食料品分野に偏在する構造や、バース管理、契約関係の不透明さといった根本課題はなお残る。
国交省は今後、勧告・要請を受けた荷主に改善計画の提出を求め、ヒアリングや現地訪問などを通じてフォローアップを継続する方針だ。改善が見られない場合は、勧告・公表を含む厳正な対応を取るとしている。また、公正取引委員会や中小企業庁との間で執行情報を共有する連絡会議を定期的に開催し、貨物自動車運送事業法と取適法を横断した「シームレスな執行」を進める構えだ。
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