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路地に突っ込まず手前で駐車/ドライバー日誌第19回

2023年7月13日 (木)

話題狭い道路での荷扱いをスムーズに行う取り組みとして、編み出した方策。続いては、「少し離れた場所で駐車して、そのハンディを『足』で補う」テクニックだ。

こちらは技術でも何でもない。少しでも周囲の通行環境を妨げない場所を選んで駐車して、そこからは足を使って配送先へ駆けるという、アナログな手法だ。とはいえ、「そんなものはプロの仕事ではない」というなかれ。狭い路地に突っ込んで道路をふさいでしまう方が、よほどプロとして失格だと言うべきだろう。

▲狭い場所には車を乗り入れず、足で稼ぐのもコツだ

ただし、ここで考えなければならないのが、「少し離れた場所」の選定だ。100メートル以上も離れてしまっては、結果的に配送はできたとしても時間のロスが発生する。かといって、コンビニエンスストアの駐車場を拝借するなど論外だ。社会インフラの一翼を担う自負があるからには、こうしたルールの逸脱を前提とした配送は許されない。これは配送における技術を語る以前の問題だからだ。

私が宅配の現場で有効だと感じたのは、コーナー(角)の上手な活用だ。ドライバーには、訪問宅の視界に入る場所に車を寄せたくなる心理が働くと、先輩ドライバーに聞いたことがある。特に経験の浅い場合にしばしばみられるそうだ。言い換えれば、訪問宅が視界に入らない場所であっても、駐車しやすい場所に駐車してから足で目的地を探せばよいのだ。

その好例が、狭い路地に入るケースだ。こうした路地の場合、多くは行き止まりになっている。もともと広い土地に少しでも多くの住宅を建てようとした場合、こうした路地をたくさん作っておけば有効に土地を活用できるからだ。これが宅配ドライバー泣かせの入り組んだ道路を作り出すのだが、こうした道路状況を出発前にある程度、頭に叩き込んでおけば、路地に曲がる手前で駐車して足を使って運ぶことができる。もちろん、台車を使ってもよいのだ。(つづく)

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