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プロロジス、常に一歩先を見据える物流改革精神

2023年7月31日 (月)

話題日本の物流業界に、倉庫の汎用化・大型化のコンセプトをいち早く持ち込んだプロロジス。2000年初頭では、同社が手掛ける大型物流施設は異色の「個性派施設」扱いされたというから、その登場の時点からすでに、一歩先をいく物流改革者であったことは間違いない。

物流施設における現在のトレンドを先導した同社だが、その視線はすでに新たな目標を見据える。「inno-base TSUKUBA」(イノベース・ツクバ)と「プロロジスパーク習志野5」の2施設は、ともに「未来」の物流業界を見据えたチャレンジであり、常に一歩先を歩き続ける改革精神を形にしたもので、今なお変わらず、改革の先陣を切る同社の挑戦の姿勢を示す。

▲inno-base TSUKUBAは、プロロジスパークつくば3内に設備を保有している

スタートアップ支援、inno-base TSUKUBAの挑戦

学術・研究都市つくば市のinno-base TSUKUBAは、同社が日本で初めて開設するインキュベーション施設であり、革新的なアイデアと起業家精神を持つイノベーターやスタートアップ企業に最適な環境を提供し、成長を支援するというまったく新しいコンセプトの施設である。

▲開発部物流コンサルティングチームディレクターの本庄哲太氏

同施設を担当する開発部物流コンサルティングチームの本庄哲太ディレクターは「当社はもともと物流不動産だけではなく、その施設をいかに有効に活用できるかを重視し、運営コンサルティングやDX・自動化ソリューションを提供しています。ソリューション提供にあたって、新規性のあるスタートアップの存在は非常に重要です。米国・日本ですでに40社以上の提携実績がありますが、つくば市にふさわしいインキュベーション施設を建物内に取り込むことで、スタートアップとの早期からの連携を構築し、フォローアップしようと考えました」と開設の経緯を語る。

優れた研究者が集う街で、プロロジスの施設やネットワークを生かしたスタートアップ支援を行う試みは、物流不動産業とは直接の関連がないようにも思えるが、「スタートアップの成長を支え、それがやがて物流業界への貢献で還元されるようになることも、当社の大切な目標です」(本庄氏)と言い、起業家たちを成長へ導くためのさまざまな支援を、ハードとソフトの両面で提供する。

ハード面では、オフィス、シェア倉庫、実証実験スペースが直結したスペースをinno-base TSUKUBAで提供し、実験用の機器の搬送や保管、研究アイデアを実証実験に移行する機動性など、スタートアップ時点では運用が難しいハード面での課題を解決する。

▲inno-base TSUKUBAの実証実験エリア

ソフト面では、「Start-up(スタートアップ)支援プログラム」として、プロロジスの顧客ネットワークによる開発支援やマーケティング支援、協力企業やつくば市との連携を活用した支援体制を用意する。つくば市とは「スタートアップ支援に関する協定」を結んでおり、市スタートアップ推進室による企業紹介やイベント交流会など、成長企業の誕生を促す体制も整えられている。起業支援で実績のあるツクリエ(東京都千代田区)とも提携し、資金調達や販売ルート開拓に至るフォローまでinno-base TSUKUBAを拠点として進めることができる。

つくばから育つ、次代の物流改革者

inno-base TSUKUBAは4月に稼働を開始し、すでに2企業が入居、早くもその成果が現れつつある。

Octa Robotics(オクタ・ロボティクス、さいたま市)は、移動ロボットアセットの提供や設備連携サービスなどですでに各企業への導入実績を持つが、物流業界進出など事業拡大へ向けて同施設にオフィスを開設。また、EC管理ソフトで評価の高いGoQSystem(ゴクーシステム、東京都中央区)も、更なる事業拡大に向けて物流需要の高いこの地を「つくば支社」に定めた。2社ともにプロロジスのネットワークを通じて、物流現場での実証実験などを重ねており、また新しいサービスが物流事業に提供される日が来るのも遠くないように思える。

同社では施設のさらなる活性化へ向けて、「研究都市つくばという街で、入居企業同士が互いの成長を確かめあえる環境を、ぜひ利用してもらいたい」(本庄氏)と、スタートアップ企業、志あるイノベーターたちの参集を呼びかけ、イベントの開催なども計画している。

新規事業参入を促すプロロジスパーク習志野5

▲プロパティマネジメント部シニアマネージャーの森永晃史氏

「プロロジスパーク習志野5」もまた、「大手企業の物流スペースニーズに応えるだけではなく、新興企業や成長過程のカスタマーを育てることも物流業界への貢献」(プロパティマネジメント部シニアマネージャー森永晃史氏)とし、新興企業の支援をコンセプトに掲げる。同施設を担当する森永氏は「かねてより小区画規模で倉庫業に参入したいというニーズが多数ある」ことから、同社として、どんな提案ができるかを検討していた中での1つの答えが、習志野5の小分割賃貸であった。

習志野5は、都心から30キロ圏内、国道16号線の内側という希少なロケーションから首都圏消費地への配送に対応できる。総延床面積6万5446平方メートルの4階建て物流拠点としてのポテンシャルが高いのはもちろんだが、大きな区画を使いきれない新興企業の要望を反映させるため、小区画に分割して複数企業が利用できる形で入居企業を募集した。

▲プロロジスパーク習志野5

小区画化と言ってしまえば簡単なことのようにも聞こえるが、分割することによる施設の仕様変更や、複数共用での施設利用方法の練り直し、施設管理の煩雑化など、運営にかかる労力は爆発的に増加。

小区画ニーズの吸い上げからプロジェクトを立ち上げ、実装へ向けて検討を繰り返し、竣工後も入居企業間の調整役として顧客に寄り添い続けるという労力を要するプロジェクトとなったが、すでに現在70から80%の区画で入居が決まるなど、「手のかかる子ほど可愛いですから」(森永氏)と改めてニーズの高さを実感し、反響に手応えを感じたという。

▲小区画規模で利用したいというニーズに応えるプロロジスパーク習志野5の倉庫内部

新たな出会いが生む、さらなる成長

運営に当たっては施設利用ルールなどを入居者同士で確認し合う「協議会」を取りまとめ、「みんなで仲良く使いましょうを合言葉に、カスタマーと一緒に成長する施設」(森永氏)を目指せるのも、インハウスで管理運営して顧客と連携できる同社の強みだ。

また、入居企業同士も協議会などを通じて交流する中で、共同配送や、季節波動への対応を検討するなど、互いの事業を助け合う動きもあるという。「今までとは違う新しいカスタマーと強くつながることができたのが、何よりも財産。残り空き区画も500坪の区画規模で営業倉庫が取れる希少な物件なので、まずはお問い合わせを」(森永氏)と、また新しい企業との出会いに期待を寄せる。

ブランドコンセプトに応じた顧客重視の物流提案

今年2023年はプロロジスが米国からスタートして「40周年」にあたる。しかし、絶えずカスタマーのニーズに寄り添って新しい提案と進化を続ける同社はすでに、もう一歩先を見つめているようにも思える。例えば、プロロジスパークとは別コンセプトのブランド「プロロジスアーバン」では、大型化や汎用性では対応できない都市部での施設需要に対応する。

▲プロロジスアーバン東京大田1

都市部での立地に特化したプロロジスアーバンは、新たに「プロロジスアーバン東京大田1」が稼働し、「プロロジスアーバン東京辰巳1」も年内完全竣工を控える。ラストワンマイルの拠点としてだけではなく、都市部のビジネス拠点として、倉庫やオフィス需要のほか、ラボやスタジオなどの機能を併せ持った使い方が可能なマルチユース物件となっており、庫内に「水回り用途のための排水管設置」(東京大田1、東京辰巳1)や、「冷蔵庫室・冷凍庫室既設」(東京辰巳1)、カーテンウォールやルーフバルコニーを採用した「明るい開放的な空間」(東京大田1)など物件ごとの「個性」に合わせた多様なニーズに対応する、カスタマー重視の姿勢が形になったものと言えよう。

▲プロロジスアーバン東京辰巳1の利用イメージ。さまざまな用途での利用が可能となっている(クリックで拡大)

カスタマーとともに成長、変革するプロロジス

スタートアップ支援のinno-base TSUKUBAも、新規参入企業支援のプロロジスパーク習志野5も、いずれも、入居企業の目標を叶えるために、その成長を見つめながら手の届く距離でバックアップする、そんな施設になっている。物流業界を支える次世代のプレーヤーたちを支援し、そこから生まれる新たなネットワークで物流業界全体を活性化させる、そんな未来を見据えた事業展開は、確かに日本の物流業界を変革した同社だからこその、説得力にあふれる。

「inno-base TSUKUBA」育ちの企業が、「プロロジスアーバン」で自立・自走し、やがては「プロロジスパーク」をBTS型で利用できるまでに大きく成長する。プロロジスもまた、カスタマーとともにそんな「未来」を思い描き続けていくのだろう。

プロロジス各施設の概要
inno-base TSUKUBA
物件詳細:https://inno-base.prologis.co.jp/
プロロジスパーク習志野5
物件詳細:https://www.prologis.co.jp/pkms/chiba_narashino5
プロロジスアーバン東京大田1
物件詳細:https://www.prologis.co.jp/portfolio/urban/tokyo-ohta-1
プロロジスアーバン東京辰巳1
物件詳細:https://www.prologis.co.jp/portfolio/urban/tokyo-tatsumi-1
■問い合わせ
上記各ページ内の問い合わせフォームよりお問い合わせください。
プロロジス開発部(TEL:03-6860-9090/メール:pldnews@prologis.co.jp)