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三菱重工、英オークニー諸島で蓄電システム実験

2012年11月22日 (木)

荷主三菱重工業は22日、英国の電力大手SSE社と共同で、再生可能エネルギーの比率が高い英国オークニー諸島で電力ネットワークで蓄電システムの実証試験に取り組む、と発表した。

リチウムイオン二次電池を搭載した最大出力2MW(メガワット)のコンテナ型大容量蓄電システムを導入し、同地域の電力安定化の検証を行うもので、稼働開始は2013年初め。

今回の実証事業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」による支援を受けて取り組むもの。

欧州の原動機事業統括会社・三菱パワーシステム・ヨーロッパ社(MPSE)と、SSEグループの発電部門・SSEジェネレーション社が共同で、スコットランドエリアの電力供給を担当しているSSEグループのスコティッシュ・ハイドロエレクトリックパワー・ディストリビューション社に、蓄電サービスを提供する方式をとる。

蓄電システムの蓄電容量は約800キロワット時(通常使用範囲500キロワット時)で、同社のリチウムイオン二次電池を2000個以上収めた40フィート(長さ約12メートル)のコンテナ2個と、電力の入出力を行うための直流・交流変換機能を果たすパワーコンディショナーを搭載した40フィートコンテナ1個で構成する。

蓄電システムは、オークニー諸島のカークウォールにあるスコティッシュ社の発電所に設置する。同島では電力を波力、潮力、風力による発電でほぼ賄っており、過不足分は海底ケーブルを介して英国本土とやりとりしている。ケーブルの送電容量超過分を蓄電し、ケーブル容量に余裕のあるときに送電する計画。

三菱重工は2010年7月にSSEと、低炭素エネルギーの開発に向けて協力していくことで合意。洋上風力発電設備や、CO2の回収・貯留(CCS)、高効率発電など幅広い協業検討しており、今回のリチウムイオン二次電池による蓄電実証事業もその一環。