DNPとトーハン、流通拠点内に書籍製造ライン導入

荷主大日本印刷（DNP）とトーハンは23日、取次の流通拠点であるトーハン桶川センター（埼玉県桶川市）に書籍製造ラインを導入することに向け協議を開始すると発表した。流通拠点内で書籍製造を行うのは国内初の取り組みという。

両社は2021年から現状30％を超える国内の返品率を低減する取り組みで協業を開始しており、今回は少部数から印刷するPOD（プリント・オン・デマンド）技術を用いた「桶川書籍デジタル製造ライン」の新設を目指す。具体的には、出版社と連携して書籍製造用のデータを預かり、需要に応じて少部数に対応した印刷・製本を同センターで行うことで、注文から短時間での出荷・販売を実現する。

全国の書店への配送拠点であるトーハン桶川センターで書籍を製造することで、製造と流通の連動を強化し、デジタル印刷を取り入れた柔軟な供給体制を構築。読者の満足度を高めるとともに、書店や出版社の販売機会拡大を図る。また、これまで一時的な欠品や供給過剰によって発生していた返品を削減し、出版サプライチェーン上の関連業者の収益構造の改善につなげる。同製造ラインの構築により、店頭での書籍検索時の在庫ヒット率が現状の60％から90％に向上するとしている。

今後は製造ラインでの試験的な製造と検証に取り組む。デジタル印刷用データのラインアップの拡大に向けてデータバンクを構築するため、出版社や書籍製造会社など20社以上と協議中だ。DNP久喜工場（久喜市）のデジタル製造機械の一部を移設する予定で、2025年度中の運用開始を目指し、まずは24年夏をめどにセンターの在庫管理システムを全面的に刷新する。

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LOGISTICS TODAY編集部
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