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チャットワーク、DX遅れる中小に関するセミナー

2023年11月14日 (火)

イベントビジネスチャット、オンラインアイスタントサービス開発のチャットワークが14日、「進まない中小企業DXとリスキリングの処方箋」と題するセミナーをオンラインおよびオフラインで行った。

第1部では同社の西尾知一CEO室室長から中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化についてのデータに基づいたレポートが行われた。レポートは中小企業(社員300人以下)の社長1055人とバックオフィス担当者1070人に独自にアンケートをとり、回答を集計したもの。レポートによると、外部環境で中小企業の経営に悪影響を与えている事象と挙げられたトップ3は「物価の上昇・値上げ」「人手不足」 「景況感の悪化」であった。また、経営課題への取り組み状況、解決に向けて実行しているのは「コスト削減」「売上拡大(既存事業)」「業務効率化・生産性向上」が上位という結果になった。

▲チャットワークの西尾知一CEO室室長

来年には2024年問題が到来するが、特に影響が懸念される物流業界、建設業界が問題について「認知しており対応を行っている」はそれぞれ25.4%、14.9%に留まる結果に。多くの産業で高齢化が問題しているが、事業承継に関する2025年問題については、「対応を行っている」経営者は60代13.1%、70代13.6%という数字になった。

いずれの業界でも中小企業ではDX化がなかなか進まない現状があるが、デジタルへの対応については30代と40代で大きな隔絶があるなど、社長の年代によって対応に差があることも読み取れるデータがいくつも提示された。業務のアナログ状況は社長が30代だと34.3%、40代だと61.9%。Saasを導入する意向無し、の項目では社長が30代だと5.7%、40代だと30.7%。いずれも、この年代より上では非デジタルの傾向があり、下だとデジタル化に積極的な傾向が見られた。

※「サース」または「サーズ」。ソフトウェアを利用者(クライアント)側に導入するのではなく、提供者(サーバー)側で稼働しているソフトウェアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用する状況。

第2部では一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブの後藤宗昭代表理事が登壇。リスキリングは学び直しではなく変化に対応するスキルを身につけること、会社がリスキリングの機会を設けることで従業員の意欲が高まるとともに、職場としても魅力を感じられやすくなることで人材確保にも有利になることなどが語られた。

第3部では、チャットワークの山本正喜CEOが登壇し、Saasよりさらに踏み込んだデジタルソリューションであるBPaas(ビーパース)の可能性を紹介。BPaasはビジネス・プロセス・アズ・ア・サービスの略で、特定の業務全体を外部のサービスに委託できるようなデジタルソリューションのこと。チャットワークではすでに、物流企業の請求やECの運用代行、会計などを行うサービスを、各社に提供している。現在は個別の依頼企業に対してそれぞれに構築したサービスを提供しているが、今後はパッケージ化し、汎用化した形でのリリースを行う見通しだという。


▲(左から)ジャパン・リスキリング・イニシアチブの後藤宗昭代表理事、チャットワークの山本正喜CEO

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