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DHLエクスプレス、香港の国際ハブ拡張工事を完了

2023年11月15日 (水)

国際DHLジャパンは14日、航空貨物事業のDHLエクスプレスが、拡張工事が完了した香港のセントラルアジアハブ(CHA)の全面稼働を開始したと発表した。

▲セントラルアジアハブ開設セレモニーの様子(出所:DHLジャパン)

CHAはアジアの中心、アジア太平洋地域、汎珠江(はんしゅこう)デルタ地域の主要都市へ航空で4時間以内という位置にあり、急速に発展するアジア地域へのゲートウェイとして機能。同社は2024年までに立ち上げとなる香港国際空港第3滑走路の稼働に合わせ、施設の拡張に取り組んでいた。DHLエクスプレスのアジア太平洋地区の航空ネットワークは、香港のCHA、上海の北アジアハブ、シンガポールの南アジアハブ、バンコクのハブの4か所を中心としたマルチハブ戦略に基づいて運営されており、これらのハブは同地域にある900のDHL拠点と接続する。CHAには週に200便以上の専用フライトが発着し、アジア域内では1日に690便に上る航空便も活用されている。

▲拡張工事を完了したセントラルアジアハブ

CHAは航空貨物仕様に建設された香港国際空港で唯一の施設で、エアサイドとランドサイドの両方に直接接続できる。今回の拡張工事により総倉庫面積は50%増の4万9500平方メートルとなり、最新の自動仕分けシステムも採用したことでピーク時の処理能力は70%近く向上、1時間当たり12万5000件の貨物処理が可能となった。フル稼働時の年間総トン数は50%増の106万トンとなる見込みで、これは04年のハブ設立時の6倍に相当するという。

また、香港の航空貨物業界では初めてコンピューター断層撮影(CT)X線スキャン技術を採用しており、検査速度を向上させるだけでなく、輸出入が禁止されている貨物の素早く正確な検出を可能としている。さらに、施設の屋根には34枚のソーラーパネルが設置されており、推定年間168万キロワット時を発電することで、施設稼働でのCO2排出を年間850トン削減する見込みだ。

DHLエクスプレスは、CHAに04年の開設から総額5億6200万ユーロ(920億円)を投じるなど、アジア太平洋地域の輸送需要の拡大に合わせて拡張や、生産性向上に向けた設備投資などを行ってきた。ことし9月には韓国でも仁川国際空港のゲートウェイの拡張工事を終えるなど、急激な成長を続けるアジア太平洋地域で航空輸送拠点を拡充することで、旺盛な物流需要を吸収する体制を整えている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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