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C&F、TOB表明の丸和に“懸念”列挙しけん制

2024年4月11日 (木)

M&AAZ-COM丸和ホールディングスから買収を目的としたTOB(株式公開買い付け)を受けているC&Fロジホールディングスは10日、丸和側に対し「(丸和の和佐見勝社長の)引退後の後継者不在」や、買収に伴う巨額の借り入れを実施する際の「財務リスク」など、買収する立場である丸和の適格性に疑問を投げかける文書を送った。

丸和がTOBを実施する際に、巨額の借り入れを行うことを「財務リスクの高まり」と指摘したほか、取引の正当性にも疑問を投げ掛けるなど、“拒絶反応”とも取れる内容を並べた。また、5月上旬に開始するとされているTOBの開始時期の延期も求めた。

丸和がTOBの実施を表明したのは3月21日。C&Fが丸和による経営統合案を拒否したことを受け、丸和はTOBによる子会社化の意思を表明、C&Fの同意を得られない場合でも5月上旬にTOBを開始するとした。

これに対しC&Fは丸和と利害関係のない6人で組織される特別委員会を設置して協議。和佐見社長の後継者不在問題や丸和の財務リスクの高さを指摘しつつ、「TOBの提案を本格的に検討するために必要」だとして質問状の形で文書を送付した。このなかでC&F側は丸和にTOBの延期を求めつつ、この要請に応じることを条件に「丸和からのデュー・デリジェンス(投資先の価値・リスク調査)に協力する」と付け加えた。

C&Fは、丸和がTOB実施に当たってみずほ銀行から最大670億円の借り入れを行うとしていることについて、財務リスクが高まると懸念を表明。さらに和佐見氏の高齢化による後継者不在も「リスク」だとして、丸和による経営統合案を「企業価値向上に資するものではない」と結論付け、経営統合案の検討を中止した経緯を説明した。

また文書では、丸和がTOBの実施をC&Fに伝えた際に「(C&F側から)真摯な検討姿勢が感じられなかった」と指摘したことに関して、その根拠の説明を求めた。

このほか、丸和の創業者で社長でもある和佐見氏が、3月21日時点でC&Fの株式の3.35%を保有していることに言及し、TOB期間ではその保有株式についても応募がなされるとの想定から、同氏による一連の株式の売買が「インサイダー取引規制などの法令に抵触する可能性」や、取引の公正性を損なう可能性も指摘するとともに、丸和側の見解を質した。

C&Fからの質問状を受け、丸和は11日「内容を真摯に検討し、対象者が本TOBに対する意見表明を行うために必要な情報を、対象者とその特別委員会に提供すべく、当該質問に対して誠実かつ適時に回答する」と発表した。

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LOGISTICS TODAY編集部
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