住友化学、千葉工場のエチレン製造を停止

拠点・施設住友化学は1日、国内石油化学事業拠点の千葉工場（千葉県市原市）の競争力を強化するため、定期修理を行う2015年9月までに、エチレン製造設備を停止すると発表した。製造設備停止後のエチレンなどの石油化学基礎原料は、京葉エチレンからの調達量を増加させることで必要量を賄う方針。

京葉エチレンは丸善石油化学、三井化学とともに3社で設立した合弁会社で、同日、三井化学が合弁事業からの離脱を表明した。

住友化学のエチレン製造設備は、操業から40年以上が経過しており、エネルギー効率や維持・補修費用の面で競争力を失いつつあるほか、ここ数年は、一部の汎用誘導品で、国内需要の減少が顕在化してきた。

このため、次の定期修理の時期までに自社生産を停止し、国内で最新の大型設備である京葉エチレンからの調達に一本化することが最善と判断したもの。

京葉エチレンからのエチレンなど基礎原料の調達量の増加は、同社の引取枠を増やすことで、丸善石油化学、三井化学と合意している。

これにより、住友化学は基礎原料の調達を効率化し、関連する付帯設備の合理化による固定費削減を図る。今後、一部の誘導品の製造設備についても、停止を含めた最適化の検討を行う。

住友化学は「今後進めていく一連の千葉工場の再構築とともに、サウジアラビアやシンガポールの生産拠点も含めた、石油化学事業全体の強化を図っていく」としている。