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国交省、コンテナクレーンの風逸走対策で実証試験

2010年11月9日 (火)

行政・団体ことし1月21日に御前崎港で発生したコンテナクレーンの強風による逸走事故などを受けて国土交通省は8日、静岡県、港湾荷役機械システム協会と共同で、15日から2種類の逸走対策の実証試験を行うと発表した。

 

実証試験はレールブレーキ実証試験と運営管理情報システム実証試験の2種類で、御前崎港で実施する。

 

レールブレーキ実証試験では、海外で「逸走状態でも制動する装置」として開発された「レールブレーキ」の国内導入を検討することを想定し、性能を確認する。

 

現在、コンテナクレーンには逸走防止装置としてレールクランプが装備されているが、車のパーキングブレーキのように静止時の摩擦を確保しているものの、逸走中のクレーンを静止させるだけの制動力はない。

 

実験ではクレーンの走行速度、ブレーキシューの押付力、シューの種類を変えて制動距離を計測し、レールブレーキの動摩擦力係数を求める。

 

運営管理情報システム実証試験では、風速計の数値を管理責任者も同時に確認できるようにするとともに、基準風速を超えた場合には操縦者、管理責任者に対してアラームで告知するなどの安全システムを試作し、その効果を実証する。

 

現在、コンテナクレーンの荷役作業の中止、避難などの判断は、クレーン操縦者がクレーン上の風速計を確認し、作業責任者などに無線、携帯電話などで相談の上、判断している。これでは、迅速な判断が困難で避難などが遅れる恐れがあるとして、実施するもの。

 

12月初旬にコンテナクレーンに試験情報システムを取り付け、実際の荷役作業に用いその効果を検証する。