サービス・商品将来のロボットやドローンによる配送に対応する住宅機能の開発を進めている住宅デバイス共創機構設立準備室(山梨県笛吹市)は26日、「ロボット床下収納」や「自動配送ロボットポート」「ドローンポートエレベーター」の開発に着手したと発表した。今後、ロボットやドローンの活用に適した住宅機能のルールづくりやガイドライン策定を目指す。
「ロボット床下収納」は床下空間を活用した新しい収納方法で、居住空間と床下の間に小型エレベーターを設け、荷物の昇降を行う。床下に運ばれた荷物は、ロボット掃除機のような小型の荷物運搬ロボットによって運ばれ、整頓される。
これによって、床下へ荷物を降ろしたり、その後に決められた場所に移動したりといった作業を自動化。取り出す際も、同様に自動で荷物が床下から運ばれてくるため、重い荷物を取り出すのに、かがんだりする必要がなく、体への負担が軽減される。
「自動配送ロボットポート」は自動配送ロボットによる宅配に対応する荷物受け取りポートで、将来、宅配用のデリバリーロボットやカーゴが実現した際、運ばれてきた荷物を、自動で受け取り、決められた場所に収納する。デリバリーロボットが普及するまでは、従来通り配達員から届けられた荷物を受け取り、収納する「複数個受け取り可能な宅配ボックス」として利用できる。
届いた荷物はポートに設置したエレベーターで自動的に室内に引き込まれ、ロボット床下収納が、届いた荷物を自動で床下に保管する。このため、1日に複数の荷物が届いても、ボックスが満杯で受け取れなくなることもなくなる。
ロボットやポートに入る荷物サイズは、2リットルペットボトル6本が入った箱が2箱搭載されることを想定し、食品や日用品などの配送をカバーする。
「ドローンポートエレベーター」はドローンを使った空からの宅配に対応する荷物用エレベーターで、ドローンが運んできた荷物を、受け取りやすい位置まで自動で移動。ロボット床下収納と組み合わせると、複数の荷物受け取りや、床下への自動収納が可能になる。
こうした設備を実現するには、自動配送ロボットがポートに荷物を格納できるよう、仕様を合わせるなどのルール化が必要で、ドローン宅配も荷物の受け取り方法や、受け取り場所の仕様など、不確定な要素が多い。このため、同準備室は今年7月、建築CG製作やドローン撮影などを手掛ける0(ゼロ)が設立。関連する企業や団体が足並みをそろえて、ロボットやドローンを活用した家庭向けサービスを早期実現させられるよう、仕様の規格化などを目的とした団体の設立をめざしている。
同社は「ロボットやドローンによる配送の実用化には、住宅側の受け入れ準備も必要だ。準備をしておくことで、速やかに実装が可能になる」としており、当面はロボット床下収納などの基礎技術の開発や設計を進めるとともに、住宅や庭、公道、ロボットなどの条件を考慮した寸法や勾配、仕様について検討し、ルールづくりを進めていく。
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