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全ト協、行政処分基準強化に反論

2010年11月12日 (金)

行政・団体政府が来年4月からの施行を目指している貨物自動車運送事業に対する行政処分基準の強化や監査方針について、全日本トラック協会(全ト協)は12日、国土交通省が募集していたパブリックコメントとして提出した意見書の内容を公表した。

 

全ト協は総論として「2005年に実施された厳罰化改正後、着実に成果が出ている」としたうえで、基準を強化するのであれば「これまでの基準強化による効果について、客観的なデータを示してほしい」と主張。また、行政処分の強化による取り組みだけでは不十分で、「運送事業者が無理な運航をせざるを得ない背景要因の除去が必要」として、運送事業者に対する締め付けの強化だけでは限界があるとの考えを示した。

 

具体的な改正項目については、まず「アルコール検知器の備え義務違反」に対して、「他の基準と比較して『初違反で60日車の車両停止処分』は非常に重い」と指摘し、激変緩和措置や経過措置の導入を要望した。同義務違反の処分基準は、初違反が60日車、再違反180日車となっている。

 

「アルコール検知器の常時有効保持義務違反」に対しては、「有効性をどのように判断するのか。その基準が不明確なのに、初違反に対する処分が20日車とされているのは問題」と主張し、有効性の判断基準を明確にするよう求めた。

 

また、「アルコール検知器の備え義務違反」が安全規則第7条第4項の「営業所ごとに備え」に対するもので、処分基準が一律とされていることに関連し、「営業所に属する事業用自動車への設置は、事業者によって設置義務車両数が大幅に異なることが推測される」と指摘。「1両に対する義務違反」や「100両に対する義務違反」などのケースが考えられることから、公平性を期すために「点呼の実施違反」の処分と同様に、設置率の導入などを検討すべきとした。

 

また、行政処分の実効性を確保するため「文書による警告を受けた事業者を(公表する範囲として)追加する」ことについては、「文書警告は比較的軽微なものであり、ある面では事業者が法令遵守に一生懸命取り組んでいる結果」とした上で、「法令を遵守しようと頑張っている事業者を公表するようなことは避けてほしい」と要望した。

 

■全ト協「パブリックコメントの募集に対する意見」のURL(PDFファイル)
http://www.jta.or.jp/kotsuanzen/anzen/gyoseshobun_kaisei_comment.pdf