調査・データアメリカの市場調査会社のパノラマデータインサイトは20日、世界のサプライチェーンマネジメント(SCM)市場についての調査結果を公表した。2023年の255億7390万ドルから32年には654億1910万ドルへと爆発的に成長し、年平均成長率(CAGR)も11%に達するとしている。
同社によると、急速な市場拡大の要因として、ビジネス運営のグローバル化が挙げられる。グローバル化によってサプライチェーン(SC)の複雑さが増し、より洗練された管理ツールが必要になる。競争の激化によって、企業はリアルタイムのデータ分析と意思決定能力のある進んだSCMシステムやツールを求めている。
また、電子商取引(EC)の拡大によって、企業は効率的だけでなく、変動する市場への敏捷性と反応性を兼ね備えたSCを必要とするようになった。このため、事業者の間では、変更に迅速に適応し、効率的に返品を管理し、優れた顧客サービスを提供できるSCMシステムに向けた開発競争も活発になっている。
さらに、IoTやAI、機械学習といった技術進歩がSCMシステムやツールの変革を加速している。これらの技術によって、予測分析や「見える化」、SC全体の見直しが容易になり、コストの削減やサービスレベルを向上につながっている。
ただ、同社は今後の懸念材料として、システムを管理する人材の不足と、継続的な高額の投資を挙げている。
今後10年のSCM市場については、より高度なデータ統合とリアルタイムな反応性によってSCMのシステムやツールが、より予測的で自律的になり、パフォーマンスを継続的に最適化するためのリアルタイムの決定と調整が可能になると予測。AI、ブロックチェーン、高度な分析などの先進技術の統合が標準となり、透明性と効率性が向上するとした。
また、経営においてサスティナビリティ(持続可能性)がますます重要視されるにつれ、環境対策を優先したり循環経済に貢献したりするシステムやツールが普及するとし、「SCM市場の未来は明るく、革新と成長の機会に満ちている」とさらなる成長が期待できるとしている。
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