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富士通セミコン、都市ガス停止時のバックアップ強化

2013年4月24日 (水)

ロジスティクス富士通セミコンダクター(横浜市港北区)は24日、南海トラフ地震など今後予想される西日本で災害時に都市ガスが停止した場合に備え、三重工場で液化天然ガス(LNG)サテライト基地を設置し、同日から運用を開始すると発表した。

これにより、ガス燃料の供給停止時にサテライト基地とローリー車によるLNG補充を行うことで、災害などに対する工場インフラ基盤を強化する。

同社は2008年から、電力・水といったインフラ復旧後7日間で前工程製造の操業を復旧するBCMを構築しており、その成果として、東日本大震災ではインフラの供給停止があったもののいち早く復旧し、製品供給への影響を最小化することができた。

震災時、東北地区の工場の都市ガス供給はパイプラインの損傷、津波による供給基地の損傷によって、電力と比較して長期間の停止を余儀なくされたことから、この教訓を生かして三重工場の復旧対策を補強することにしたもの。

三重工場のクリーンルームは、都市ガスの供給停止でクリーンルームの環境が維持できなくなり、製造過程にある製品が損傷するため、都市ガスの長期停止への備えが必要と判断。空調用ボイラーや一部製造設備などの燃料として都市ガスを使用している同工場構内にバックアップの仕組みづくりを検討し、今回の取り組みに至った。

具体的には、同工場はパイプラインで都市ガスの供給を受けているが、被災時のクリーンルーム環境維持対策の一つとして、中部電力の協力を得て構内にLNGサテライト基地を設置。23日からバックアップ体制の運用を開始し、被災時には都市ガス供給が復旧するまでの間、サテライトタンク内に貯蔵するLNGで対応できるようにする。その後の補給は、国内の広範囲に存在するLNG供給基地から、ローリー車による輸送で対応する。

構内にLNGの貯蔵タンクを設置している製造工場の例は過去にもあるが、災害などで供給が停止された都市ガスのバックアップとして、備蓄しているLNGに速やかに切り替えられる体制を実現している製造拠点は国内の製造業で初めて。

東北地区の前工程製造工場では、燃料に重油を使用しており、構内に十分な量を備蓄することによって同等のBCMを構築している。