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BigM「サプライチェーンデザイン4.0」で実現するロジスティクス改革

サプライチェーンデザインで、物流の新局面に備えよ


2024年10月9日 (水)

話題物流課題への対応に求められているのは、単なる物流の改革ではなく企業戦略としてのロジスティクスでの改革である。

▲BigMの村儀実社長

もはや、物流コストや利益率、納期、運送手段の確保の見直しだけで今後ますます深刻化する物流環境の改善は期待できない。「今こそ、調達や生産、環境配慮、リスク分析など、多様な要素を取り込んで、最適な事業戦略を策定することが必要な局面」と語るのは、サプライチェーン(SC)デザインソリューションを提供するBigM(東京都中央区)社長、村儀実氏である。「SCと結びつけたビジネス戦略は、考慮すべき要素も多種多様、さらに急な情勢の変化にも左右される。物流危機や今後加速すべきCO2削減への対応では、SCの短期的な計画見直しだけではなく将来的な事業戦略を支えるSCデザインの精度向上こそが、自社の競争優位性を高めるための大事なミッションとなる」(村儀氏)

ソリューションの進化で実現、複雑なサプライチェーン最適化を明示

とはいえ、SC全領域の要素や変数を勘案し、派生する多様な可能性なども取り込んだ戦略を策定するのは、あまりに難易度の高い取り組みである。これまでの物流だけの指標ではなく、SC構造や業務ルールの見直し、需要予測に伴う調達、生産、輸送能力を、それぞれ付随する制約条件ごとに分析していくことなど、とても表計算ソフトで完結できるようなものではない。CO2削減や業務効率化においては、自社のみならずサプライヤーから消費者までend to endでの成果も求められ、複雑で多様な要素を分析して最適解を求めるには、SC改革に取り組みやすい体制作りをサポートする、高度な最適化・AI(人工知能)アルゴリズムの進化が不可欠だったと言える。

村儀氏も、「SCデザインは難しいもの、ハードルの高い取り組みとして敬遠されている」現状を認めつつ、それを打破してスタートラインに立つ企業の参加を後押しする。BigMが提唱する「サプライチェーンデザイン4.0」は、まさにそんなSCデザイン取り組みにより多くの人が参加しやすく、ロジスティクス・SC戦略からの革新を促す新たなアプローチである。複雑な分析を要する最適化、シミュレーション、リスク判断を統合的に評価し、最適なSCのあり方を明示することで、企業戦略の意思決定を支援する。

(クリックで拡大)

CLOのロジ戦略構築に欠かせないサプライチェーンデザイン

サプライチェーンデザイン4.0の基盤となるのは、米国のSCソフトウエアプロバイダー、Optilogic(オプティロジック)のSCデザインソリューション「Cosmic Frog」(コズミック・フロッグ)であり、デジタルモデルを活用した最適化・シュミレーション・リスク評価エンジンによる、高度なSCデザイン分析・提案を提供する。現実世界のSCをデジタルモデルとして再現するとともに、多様な仮説を検証可能とするシナリオ分析、トレードオフの関係にある複雑な事項をデジタルモデルにて評価し、わかりやすく最適化の道筋を提示することができる。

「SCの最適化に向けての意思決定をサポートできる領域は多様。ネットワーク戦略、新規拠点提案、投資計画、製品フロー、供給コスト、在庫戦略、需給調整、生産戦略、調達最適化、輸配送ルート最適化、リスクへの備えやCO2排出量など。それぞれが重視するKPI、評価指標を最大化するためにはどのようなSC戦略が最適なのかをわかりやすく提示することができる」(村儀氏)。今後、物流業界における注目のテーマである物流管理統括者(CLO)の設置においても、経営目線でロジスティクス戦略を構築すべきCLO業務に、欠かせないツールがコズミック・フロッグだと言えるのではないだろうか。

▲「Cosmic Frog」のシステム画面(クリックで拡大)

サプライチェーンデザインを民主化し、社内外の連携活性化の基盤に

さらに、村儀氏がコズミック・フロッグのもっとも重要なポイントに挙げるのが、CLO的業務をサポートするだけではなく、「社内外の関係者とのコラボレーションを容易にすること」だと言う。事業戦略の意思決定サポートツールは、これまで経営者、専門の担当者だけに運用権限が限られるなど、敷居の高いソリューションに位置付けられがちだ。「コズミック・フロッグはSCデザインの民主化を推進するソリューションでもある。社内外のより多くの関係者が、それぞれの現場課題と解決をシミュレーションできる環境作りや、クラウド環境で連携し、SC領域のさまざまな関係者とのより有用性の高いコラボレーションでの改革を促すソリューションとして活用の輪を広げてもらいたい」と村儀氏は言う。

同社は11月8日に「サプライチェーンデザイン4.0カンファレンスTOKYO 2024」と題するセミナーを開催。オプティロジックとともに、コズミック・フロッグによるSCデザインの意義や最新テクノロジーを紹介し、実際のユーザー企業である荏原製作所、住友商事、ロジスティードからは活用事例が紹介された。SCをデザインすることへ、「難解」「複雑」さを理由に躊躇(ちゅうちょ)しているような企業にとって、取り組みのきっかけを掴み、スタートラインに立つ機会となった。

「サプライチェーンデザイン4.0」サービス